【日语共读】《心》夏目漱石(148)


       《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。


    二年目の夏に彼は国から催促を受けてようやく帰りました。帰っても専門の事は何にもいわなかったものとみえます。家(うち)でもまたそこに気が付かなかったのです。あなたは学校教育を受けた人だから、こういう消息をよく解しているでしょうが、世間は学生の生活だの、学校の規則だのに関して、驚くべく無知なものです。我々に何でもない事が一向(いっこう)外部へは通じていません。我々はまた比較的内部の空気ばかり吸っているので、校内の事は細大ともに世の中に知れ渡っているはずだと思い過ぎる癖があります。Kはその点にかけて、私より世間を知っていたのでしょう、澄ました顔でまた戻って来ました。国を立つ時は私もいっしょでしたから、汽車へ乗るや否(いな)やすぐどうだったとKに問いました。Kはどうでもなかったと答えたのです。

   

     第二年夏天,因为家里催促,他终于回去了。但是,专业的问题似乎他根本没提过,家里也没人过问。你是个受过学校教育的人,这类事情是可以理解的吧。一般人对于学生生活和学校规章都是惊人地无知。我们认为无所谓的事情,向来也不会对外人讲的。我们呼吸的又只是学生范围内的空气,所以习惯上总是想得多,生怕学校里的事情会不分巨细地流传到社会中去。在这方面,K也许比我更老练吧,他又若无其事地回来了。离开故乡时,我们同路。一上火车,我就问他怎么样了。他答道平安无事。

 

 三度目の夏はちょうど私が永久に父母の墳墓の地を去ろうと決心した年です。私はその時Kに帰国を勧めましたが、Kは応じませんでした。そう毎年(まいとし)家(うち)へ帰って何をするのだというのです。彼はまた踏み留(とど)まって勉強するつもりらしかったのです。私は仕方なしに一人で東京を立つ事にしました。私の郷里で暮らしたその二カ月間が、私の運命にとって、いかに波瀾(はらん)に富んだものかは、前に書いた通りですから繰り返しません。私は不平と幽欝(ゆううつ)と孤独の淋(さび)しさとを一つ胸に抱(いだ)いて、九月に入(い)ってまたKに逢(あ)いました。すると彼の運命もまた私と同様に変調を示していました。彼は私の知らないうちに、養家先(ようかさき)へ手紙を出して、こっちから自分の詐(いつわ)りを白状してしまったのです。彼は最初からその覚悟でいたのだそうです。今更(いまさら)仕方がないから、お前の好きなものをやるより外(ほか)に途(みち)はあるまいと、向うにいわせるつもりもあったのでしょうか。とにかく大学へ入ってまでも養父母を欺(あざむ)き通す気はなかったらしいのです。また欺こうとしても、そう長く続くものではないと見抜いたのかも知れません。

 

    第三年,就是我下决心永远离开父母墓地的那一年夏天,我劝K回家,他没答应。他说每年都这样回去干什么呢?似乎他又打算留下来学习,我只好独自离开东京。我在家乡度过的这两个月,对于我的命运是怎样的波澜起伏,前面已有叙述,就不再重复了。我怀着一腔忿懑、阴郁和孤苦,在九月又同K相逢了。谁知他的命运也同我一样,发生了变化。他趁我不知道的时候,给他养父家写了一封信,坦白了自己的欺骗行为。据说他一开始就下了这样的决心。大概他盘算过,想迫使对方承认,事到如今也只好由着他爱搞什么就搞什么算了。总之,他在上大学之前,似乎就不想再对养父养母欺骗下去了,也许他认识到欺骗毕竟不是长久之计。

 

 


主播介绍

本期主播:魏衍

本期编辑:LMN

责任编辑:日语之声

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