短评---余录

2017/2/4付

「コンビニ人間」で昨夏の芥川賞を受けた作家、村田沙耶香(むらたさやか)さんが大切にする言葉がある。「小説家は楽譜を書いていて、読者はその楽譜を演奏してくれる演奏家だ」。芥川賞作家の先輩、宮原昭夫(みやはらあきお)氏から小説の作法を教わった時の言葉という

【在去年夏天获得芥川奖的《便利店人生》的作家村田沙耶香郑重的说,“小说家是在谱写乐谱,而读者就是演奏那个乐谱的演奏家。”这是荣获过芥川奖的作家前辈宫原昭夫氏在教授小说写作手法时说的话。】

▲それは学生時代の村田さんに小説を書き続けさせてくれた言葉だった。それから十数年、芥川賞受賞作は世間の常識から孤立しながらコンビニという職場の「正常な部品」となるのを生きがいとする30代女性の小説である

【这个是学生时代的村田写小说时的语言,那往后的的数十年间中,这是一部以从芥川奖获奖的作品中和人们的常规认识里独立出来的一部小说,讲述的是一位30岁的女性把便利店职场作为“正常的部分”当作人生价值(的故事)】

▲山梨県立韮崎高校2年の野澤夏枝(のざわなつえ)さんが書店で「コンビニ人間」を手に取ったのは、初めて芥川賞受賞作を読んでみたかったのと、コンビニというよく知る世界の題名にひかれてだった。すると本の帯に「普通とは何か?」とある。ちょっとドキンとして読み始めた

【山梨县立菲崎大学大二学生野泽夏枝在书店取来《便利店人生》(这本书),就像第一次读芥川奖获奖作品似的,被便利店这个熟知的世界的书名套住了。书类中“何为普通?” 开始读还有点有点激动。】

▲野澤さんの読書感想文「私であるために」は第62回青少年読書感想文全国コンクールの高等学校の部で毎日新聞社賞を受けた。数年前から自分の「普通さ」に居心地の悪さを感じ始めていた野澤さんには、世間が強いる「普通」に振り回される主人公が興味深かった

【野泽的读后感《为我自己》获得了第62届少年读后感全国赛大学生组的每日新闻社奖。在很多年前因自己的普通而开始感到心情不好的野泽,对(书中)的 社被世间强大的“普通”牵着鼻子走的主人公有很深的兴趣。】

▲物語の細部も印象に残った。「狭い環境にいるとみんなが似てくるとか、規則なんか無視する男が実は世間に順応したがっているとか、こういうのあるあるって感じでした」。風変わりな虚構の物語だからこそ描き出せるこの世の人間の真実があるのがよく分かった

【我对故事的细节还有印象。“在狭窄的空间里其实大家都很相似,无视规则的男人实际上是在顺应社会,总是有着这样的感觉”。正因为是奇特的虚构出来的故事描述出来的世界中的人却显得很真实。】

▲小説という譜面から物語を演奏し終えた野澤さんはあるがままの自分に少し自信をもてた気がした。将来の夢は建築家、受験勉強もせねばならないが、読書による物語の演奏はこれからも続ける。

【在小说这个乐谱上演奏完故事的野泽终于对自己有了点自信。她将来的梦想是当建筑师,既要考试也要学习,今后也要继续通过阅读来演奏故事。】

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