【日语共读】蟹工船(17)

皆さん、こんばんは。

这里是日语之声

今天将由主播阿花继续带我们分享

蟹工船(17)

では、はじめましょう!



蟹工船(17)



    周旋屋にだまされて、連れてこられた東京の学生上りは、こんな筈がなかった、とブツブツ云っていた。

    被中介商骗来的东京的学生工嘟囔说本不应是这样子的。
  「独り寝だなんて、ウマイ事云いやがって!」

    “什么一人单睡,花言巧语!”
  「ちげえねえ、独り寝さ。ゴロ寝だもの」

    “不错啊,是一人单睡,一个人倒头就睡嘛!”


 学生は十七、八人来ていた。六十円を前借りすることに決めて、汽車賃、宿料、毛布、布団、それに周旋料を取られて、結局船へ来たときには、一人七、八円の借金になっていた。それが始めて分ったとき、貨幣だと思って握っていたのが、枯葉(かれは)であったより、もっと彼等はキョトンとしてしまった。――始め、彼等は青鬼、赤鬼の中に取り巻かれた亡者のように、漁夫の中に一かたまりに固っていた。

    学生来了十七八个人。预支六十元,去了火车票钱、借宿费、毯子被褥钱,再加上中介费,结果上船时每人还欠了七八元。当他们明白过来时,比手里攥的钞票变成枯树叶还要让他们目瞪口呆。一开始他们就像被妖魔鬼怪围住的亡灵,在渔工中间抱成一团。


    函館(はこだて)を出帆してから、四日目ころから、毎日のボロボロな飯といつも同じ汁のために、学生は皆身体の工合を悪くしてしまった。寝床に入ってから、膝を立てて、お互に脛を指で押していた。何度も繰りかえして、その度に引っこんだとか、引っこまないとか、彼等の気持は瞬間明るくなったり、暗くなったりした。脛をなでてみると、弱い電気に触れるように、しびれるのが二、三人出てきた。棚の端から両足をブラ下げて、膝頭を手刀(てがたな)で打って、足が飛び上るか、どうかを試した。それに悪いことには、「通じ」が四日も五日も無くなっていた。学生の一人が医者に通じ薬を貰いに行った。帰ってきた学生は、興奮から青い顔をしていた。――「そんなぜいたくな薬なんて無いとよ」

    从离开函馆第四天开始,每天每日的粗米饭和一成不变的大酱汤彻底搞垮了学生们的身体。躺下后他们就支起膝盖互相用手指捏小腿肚,如此翻来覆去。每次塌坑或不塌坑,弄得他们心情或一下子兴奋起来或一下子黯然神伤。有两三人一摸小腿就像触了弱电一样发麻。他们把双腿悬在床沿,用手掌敲打膝盖,看脚能否弹起。更糟糕的是,已经四五天不排便了。一个学生去找医生拿药。回来时脸色由兴奋变得发青:“说没有那种少爷药!”


  「んだべ。船医(せんい)なんてんなものよ」側(そば)で聞いていた古い漁夫が云った。

    “还用说,船医都那个德性!”旁边听的老渔工说。
  「何処の医者も同じだよ。俺のいたところの会社の医者もんだった」坑山(こうざん)の漁夫だった。

    “哪里的医生都一样。我原来在的公司医生也一个德性!”说话的是矿山渔工。
 皆がゴロゴロ横になっていたとき、監督が入ってきた。

    大家正横躺竖卧时,监工进来了:
  「皆、寝たか――一寸聞け。秩父丸(ちちぶまる)が沈没したっていう無電が入ったんだ。生死の詳しいことは分らないそうだ」唇をゆがめて、唾をチェッとはいた。癖だった。

    “原来你们都躺着。听我说一句,秩父号沉没的电报打进来了,生死详情还不知道。”他咧一下嘴,“忒”一声吐了口唾液。他的老毛病。



主播/阿花

翻译/林少华

小编/小小铭

责编/日语之声

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