【日语共读】宫泽贤治短篇《橡子与山猫》

皆さん、こんばんは、ヒマワリです。

今天继续为大家分享日本作家宫泽贤治的短篇小说《橡子与山猫》。

では、はじめましょう。                                                                           

どんぐりと山猫


宮沢賢治

そのとき、風がどうと吹いてきて、草はいちめん波だち、別当は、急にていねいなおじぎをしました。
    一郎はおかしいとおもって、ふりかえって見ますと、そこに山猫が、黄いろな
陣羽織じんばおりのようなものを着て、緑いろの眼をまん円にして立っていました。やっぱり山猫の耳は、立ってとがっているなと、一郎がおもいましたら、山ねこはぴょこっとおじぎをしました。一郎もていねいに挨拶あいさつしました。
「いや、こんにちは、きのうははがきをありがとう。」

说完,四周突然刮起一阵劲风,整片草原滚滚起浪,马车夫赶忙恭谨地弯腰行礼。
  一郎纳闷地回头,只见身披黄色斗篷的山猫,正睁大著圆圆的绿眼睛站在身后。一郎正在暗忖,山猫的耳朵果然是尖尖竖立着,山猫却先向一郎点头打招呼。一郎也恭恭敬敬地回个礼:“你好,谢谢你昨天寄给我的明信片。”


山猫はひげをぴんとひっぱって、腹をつき出して言いました。
「こんにちは、よくいらっしゃいました。じつはおとといから、めんどうなあらそいがおこって、ちょっと裁判にこまりましたので、あなたのお考えを、うかがいたいとおもいましたのです。まあ、ゆっくり、おやすみください。じき、どんぐりどもがまいりましょう。どうもまい
とし、この裁判でくるしみます。」山ねこは、ふところから、巻煙草まきたばこはこを出して、じぶんが一本くわえ、
「いかがですか。」と一郎に出しました。

山猫竖直胡须,挺着肚子说:“你好,欢迎光临。事情是这样的,前天发生一宗很麻烦的争执,我不知道该怎么判决这宗官司,所以想请你来给我们拿个主意。请坐吧,先休息一下,不一会儿橡子们大概也会赶来。我每年都得为了同样的争执而头痛好几天。”
  山猫从怀中掏出雪茄盒,自己衔上一支,又将盒子递给一郎:“要不要来一支?”


一郎はびっくりして、
「いいえ。」と言いましたら、山ねこはおおようにわらって、
「ふふん、まだお若いから、」と言いながら、マッチをしゅっと
って、わざと顔をしかめて、青いけむりをふうときました。山ねこの馬車別当は、気を付けの姿勢で、しゃんと立っていましたが、いかにも、たばこのほしいのをむりにこらえているらしく、なみだをぼろぼろこぼしました。

一郎吓了一跳,赶忙摇头:“不不,我不抽。”
  山猫心情舒畅地笑说:“喔,你还太年轻了。”他一边说一边划亮火柴,再故意皱起眉头,喷出一口青烟。山猫的马车夫,毕恭毕敬地立正在一旁,不过却好像在拼命忍耐着想抽烟的诱惑,泪珠簌簌掉落。


そのとき、一郎は、足もとでパチパチ塩のはぜるような、音をききました。びっくりしてかがんで見ますと、草のなかに、あっちにもこっちにも、黄金きんいろの円いものが、ぴかぴかひかっているのでした。よくみると、みんなそれは赤いずぼんをはいたどんぐりで、もうその数ときたら、三百でもかないようでした。わあわあわあわあ、みんななにかっているのです。
     
 这时,一郎听到脚边响起一阵炒盐巴似的爆裂声。他吓了一跳,蹲下身察看,发现草丛里到处都是闪闪发光的金黄色东西。仔细再看,原来都是穿着红色裤子的橡子。数目多得恐怕超过三百个。橡子们哇哇乱叫,好像在争执些什么。


「あ、来たな。ありのようにやってくる。おい、さあ、早くベルを鳴らせ。今日はそこが日当りがいいから、そこのとこの草をれ。」やまねこは巻たばこを投げすてて、大いそぎで馬車別当にいいつけました。馬車別当もたいへんあわてて、こしから大きなかまをとりだして、ざっくざっくと、やまねこの前のとこの草を刈りました。そこへ四方の草のなかから、どんぐりどもが、ぎらぎらひかって、飛び出して、わあわあわあわあ言いました。
   
 “喔,来了。像蚂蚁大军似地聚过来了。喂,赶快摇铃。今天前面那块地日照比较好,就将那儿的草全割掉吧!”山猫弹开手指上的雪茄,匆忙向马车夫交代。马车夫也赶忙从腰际抽出一把大镰刀,大把大把地割起山猫面前那片草地。一割完,四面八方的草丛里即滚出一大堆亮晶晶的橡子,争先恐后地哇啦哇啦一直吵。


 馬車別当が、こんどはすずをがらんがらんがらんがらんとりました。音はかやの森に、がらんがらんがらんがらんとひびき、黄金きんのどんぐりどもは、すこししずかになりました。見ると山ねこは、もういつか、黒い長い繻子しゅすの服を着て、勿体もったいらしく、どんぐりどもの前にすわっていました。まるで奈良ならのだいぶつさまにさんけいするみんなの絵のようだと一郎はおもいました。別当がこんどは、革鞭かわむちを二三べん、ひゅうぱちっ、ひゅう、ぱちっと鳴らしました。

马车夫再叮啷叮啷地摇起铃。铃声响澈整个榧树林,金黄橡子们听到铃声后,才稍稍安静下来。再看山猫,只见山猫不知于何时已穿上一件黑缎长衫,煞有介事地坐在橡子们面前。一郎觉得这景象好似一幅众徒在奈良大佛前参拜的画像。马车夫则又咻咻地挥了两三下手中的皮鞭。

今天的共读到此结束,感谢大家的收听。

では、おやすみなさい。

本期监制: 日语之声

本期小编: 沫    言

本期主播: ヒ マ ワ リ      


注:本节目仅用于分享和学习交流,不得转用和商用,内容版权归原作者所有。若有侵权,请在作品下方留言,我们会尽快删除。

你可能感兴趣的:(【日语共读】宫泽贤治短篇《橡子与山猫》)