【天声人语】芽たちの行進曲

芽たちの行進曲

嫩芽进行曲

▼私が音楽家だったら「芽たちの行進曲」をつくるだろう。チェコの作家カレル・チャペックが3月にちなんで、そう書いている。ライラック、ナシ、サクランボ……。木々の芽吹めぶきを、軽快なマーチに乗せて行進する連隊になぞらえた

捷克作家卡雷尔・恰佩克根据三月的景致写道:“如果我是位音乐家,大概会创作一首《嫩芽进行曲》”。紫丁香、梨树、樱桃……。他把各种树木的嫩芽比喻成随着轻快的进行曲前行的军队。

▼小さな芽から若い葉が伸び、花がつき始めた木がある。一方で堅い芽のままの木もあり、「地中から、あるいは、空から発せられる『始め!』という号令のようなものを待っている」。そんな号令で一気に芽吹き、春が開幕かいまくするのだと(『園芸家の一年』)

有的树木从细小的新芽开始伸展嫩叶,开出花朵。另外也有的树木还只有坚硬的嫩芽。“它们一直等待着从地下或者空中发出一句‘开始!’般的号令”。在那样的号令之下,万物一齐发芽,拉开春天的序幕(摘自《一个园丁的一年》)。

▼号令がかかったのかも。そう思いたくなるほどの陽気がきのう、各地に訪れた。鳥取市や福島市など気温が20度を上回る地域も目立ったという。散歩しながら木々に顔を近づけると、小さな芽に緑の色が添えられていた。あすはもう啓蟄(けいちつ)

如今,或许是已经发出了这个号令。昨日,全国各地仿佛听到了号令一般,均有所回暖。据说鸟取市和福岛市等地气温将超过20度,着实令人瞩目。边散步边凑近观察树木,我们就会发现,那些细小的枝芽上面增添了不少绿色。明日就是惊蛰。

▼冬のあいだ葉を包み込み、つぼみを堅く守ってきた芽である。「越冬芽」や「休眠芽」の呼び名もあるそうだ。厳しかった寒さが和らぎ、厚い布団から出て外へと向かう感じだろうか。

这就是冬天里包裹嫩叶,坚定地守护花蕾的嫩芽。据说还可以称其为“越冬芽”或“休眠芽”。也许此时人们能感受到严寒渐缓,离开厚厚的被褥走向室外吧?

▼春は人の世も芽吹くときである。4月から新しい学校に入り、仕事に就く人がいる。転勤や転居も集中する。若葉やつぼみゆえの苦労もあるだろう。願わくは未熟さを楽しむくらいの心持ちで。

春天也是人间的伊始。4月开始,人们陆续入学就职,调职和移居也集中在这一月份。这是处于嫩叶和花蕾期所必须经历的痛苦吧,但愿人们都怀着享受青涩的心情。

▼「はにかむ葉よ、恥ずかしがるな」「うぶ毛につつまれて眠るものたちよ、背をのばせ」と、チャペックは書いた。春だから、そんなふうに自分を応援してみたい。若葉やつぼみはもちろん、ややくたびれた身であったとしても。

恰佩克写道:“脸红的叶子啊,不要害羞了”“沉睡的枝条们,请伸展开来”。因为春回大地,所以才想那样给自己声援助威。不用说嫩叶与花蕾了,即便是有些疲惫的身体也是如此吧。

【天声单词】

Δ芽吹き(めぶき):(名)冒芽,抽芽(植物の芽が萌え出ること)

Δ連隊(れんたい):(名)团,连队(軍隊の編制単位の一)

Δ啓蟄(けいちつ):(名)惊蛰。二十四节气之一(冬ごもりをしていた虫が動き出すころ)

Δ転居(てんきょ):(名)搬家,迁居(住居を変えること)

Δ若葉(わかば):(名)嫩叶,新叶(芽を出して間もない葉)

Δつぼみ:(名)花蕾(花の芽ぐんでまだ開かないもの)

【背景资料】

1、カレル・チャペック
カレル・チャペック(チェコ語: Karel Čapek、1890年1月9日 - 1938年12月25日)は、チェコの作家、劇作家、ジャーナリスト。兄は、ナチス・ドイツの強制収容所で死んだ画家・作家のヨゼフ・チャペック。

2、啓蟄
啓蟄(けいちつ)は、二十四節気の第3。二月節(旧暦1月後半から2月前半)。「啓」は「開く」、「蟄」は「虫などが土中に隠れ閉じこもる」意で、「啓蟄」で「冬籠りの虫が這い出る」(広辞苑)という意を示す。春の季語でもある。
現在広まっている定気法では太陽黄経が345度のときで3月6日ごろ。暦ではそれが起こる日だが、天文学ではその瞬間とする。平気法では冬至から5/24年(約76.09日)後で3月8日ごろ。
期間としての意味もあり、この日から、次の節気の春分前日までである。

3、休眠芽 きゅうみんが
植物で,いったん形成されたのちに生長を止めて休眠している状態の芽をいう。休眠状態が長く続いて痕跡的になった芽を潜伏芽という。また休眠している冬芽のことを休止芽 resting budという。

来源:朝日新闻
朗读:吴阳 Makoto
注音:十六
单词整理:十六
背景资料整理:蛋黄派
翻译:考萨麦
校对:Hochan22
后期:恩惠
责编:孙鹏轩

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