【日语共读】《心》夏目漱石(135)


       《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。



「私はお嬢さんの立ったあとで、ほっと一息(ひといき)するのです。それと同時に、物足りないようなまた済まないような気持になるのです。私は女らしかったのかも知れません。今の青年のあなたがたから見たらなおそう見えるでしょう。しかしその頃(ころ)の私たちは大抵そんなものだったのです。


   “ 小姐走后,我才舒一口气。同时又似乎总觉得不满足,好象心情还有些过意不去。也许我有些女人气。若在今天正当青年的你看来,更有如此感觉吧。但是那时候,我们大都是这样的。


 奥さんは滅多(めった)に外出した事がありませんでした。たまに宅(うち)を留守にする時でも、お嬢さんと私を二人ぎり残して行くような事はなかったのです。それがまた偶然なのか、故意なのか、私には解らないのです。私の口からいうのは変ですが、奥さんの様子を能(よ)く観察していると、何だか自分の娘と私とを接近させたがっているらしくも見えるのです。それでいて、或(あ)る場合には、私に対して暗(あん)に警戒するところもあるようなのですから、始めてこんな場合に出会った私は、時々心持をわるくしました。   


    夫人很少出门,即便偶尔不在家,也决不会只留下小姐和我两个人的。我不知道这是偶然,还是故意。从我嘴里说出来不大好,可是,若仔细观察夫人的举动,又总觉得她似乎愿意让自己的女儿同我接近,可是有时候却又好象暗暗对我存有戒心。所以起初遇到这样场合,常常使得我很苦闷。



 私は奥さんの態度をどっちかに片付(かたづ)けてもらいたかったのです。頭の働きからいえば、それが明らかな矛盾に違いなかったのです。しかし叔父(おじ)に欺(あざむ)かれた記憶のまだ新しい私は、もう一歩踏み込んだ疑いを挟(さしはさ)まずにはいられませんでした。私は奥さんのこの態度のどっちかが本当で、どっちかが偽(いつわ)りだろうと推定しました。そうして判断に迷いました。ただ判断に迷うばかりでなく、何でそんな妙な事をするかその意味が私には呑(の)み込めなかったのです。理由(わけ)を考え出そうとしても、考え出せない私は、罪を女という一字に塗(なす)り付けて我慢した事もありました。必竟(ひっきょう)女だからああなのだ、女というものはどうせ愚(ぐ)なものだ。私の考えは行き詰(つ)まればいつでもここへ落ちて来ました。

 

    我希望夫人的这种态度归结到一个方面去。因为从思想活动来说,这分明矛盾得很。但是,我对叔叔的欺骗还记忆犹新,又不能不持有再度被陷进去的疑虑。我揣测着夫人的这种态度哪是真,哪是假,然而我无法判断。不仅无从判断,而且不知她做这种玄妙的事情,究竟是什么意思。我想琢磨出个道理来,可又想不出,有时只归咎在女人这两个字上忍受了。总之女人就是这样的,女人终归是愚昧的。倘若我想不开的时候,便总是归结到这里。

 

 


主播介绍

本期主播:Reno

本期编辑:LMN

责任编辑:日语之声

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