2019年7月

(1)

         一般的に、表とグラフでは、グラフのほうがすぐに特徴をみつけやすいといえます。だからといって、そうしてみつけた特徴が本当に意味がある特徴かどうか。単なる錯覚ではないのが、グラフをみたことで先入観をもってしまったあとでは、検証がむずかしいでしょう。

        だからこそ、まずは、特徴を見つけにくい表をながめてデータ分析をすることが、データ読解力を高めるうえでは大切です。そうして表のデータを読む力を磨くことで、やがてグラフでの錯覚を避ける能力も高まります。

問い:筆者によると、データ分析の力をつけるにはどうすればいいか。

1 特徴が見つけやすいので、先に表をみるようにしたほうがいい。

2 思い込みが避けられるので、先に表をみるようにしたほうがいい。

3 思い込みに気づきやすいので、先にグラフをみるようにしたほうがいい。

4 意味のある特徴がみつけられるので、先にグラフをみるようにしたほいがいい。

(2)

        以下は、ある市のホームページの掲載されたお知らせである。

今村市>文化芸術施設>お知らせ

                          文化施設共通利用権および「特別展セット」販売のお知らせ

    文化施設共通利用券を販売いたします。この券は、市内五つの博物館や美術館などの文化施設にそれぞれ一回ご入場できるチケットです。

    また、文化施設共通利用券に特別展割引チケットを付けた「特別展セット」も販売いたします。特別展のご入場には通常一回1000円かかりますが、「特別展セット」で各施設の特別展の中から一つに限り割引価額で一回ご入場できます。

販売場所:各施設のチケット売り場

販売価格:文化施設共通利用券2000円、「特別展セット」2800円

販売期間:2019年7月1日~2019年10月31日

有効期間:2019年7月1日~2019年12月27日

どちらも大変お得のなっております。この機会にぜひご利用ください。

問い:「特別展セット」を買うと何ができるか。

1 各施設に一回ずつ入場でき、さらに割引価額で特別展に一回ずつ入場できる。

2 各施設に一回ずつ入場でき、さらに割引価額で特別展のうち一つに一回入場できる。

3 各施設に何回でも入場でき、さらに割引価額で特別展に一回ずつ入場できる。

4 各施設に何回でも入場でき、さらに割引価額で特別展のうち一つに一回入場できる。

(3)

        論文というものは言葉で書くものである。あたりまえのことだが、これは肝心なことである。ということは、よい論文を書くためには言葉に敏感でなけらばならないということである。しかし、それはかならずしも、なにか特別なもっともらしい言葉をうまく操れなければいけないということではない。むしろ、自分の身についた、ふだんはなにげなく使っているにすぎないような言葉を、いちいち、しっかりととらえなおし、その意味を自分にとってたしかな手応えのあるものにしてゆくということである。

問い:筆者は、論文を書くのに大切なことは何だと考えているか。

1 多くの言葉を正確に使えるようにすること

2 特別な言葉を日常的に使えるようにすること

3 新しい言葉の意味をしっかりととらえること

4 日常使っている言葉の意味をたしかめながら使うこと

(4)

以下は、ある会社が製品を注文してきた相手に出したメールである。

宛先:xxxxxxx

作名:スビーカー「xxxxx」のご注文につきまして

日時:2019年6月5日 10:30

アフフク商会

営業部 大村成次様

お世話になっております。

このたびは、スビーカー「xxxxx」20台をご注文いただきありがとうございました。同様は4月の発売以来、予想以上の売れ行きが続き、製造が追いついておりません。現在、海外の工場でも対応しておりますが、ご指定の期日(6月28日)での納品は難しい状況です。納品可能時期は今月中旬に改めてお知らせいたします。大変申し訳ございませんが、ご理解くださいますようお願いいたします。

オーシーサウンド

販売部 川藤直広

問い:このメールで最も伝えたいことは何か。

1 「xxxx」の納品日が今月中旬になること

2 「xxxx」の納品が可能かどうかを本月中旬に知らせること

3 「xxxx」を指定の納品日に納品できないこと

4 「xxxx」が予想以上に売れていて、注文を受けられないこと

(5)

        試合に出してももらえない。監督やコーチと相性が悪い、他の選手のほうが贔屓されている。。。自分がうまくできない、試合で活躍できないのは、環境が悪いからだ。監督のせいだ。他の選手とプレーがかみ合わない。。。

        自分がある程度頑張っているつもりの選手は、つい、こう考えてしまうものです。

        うまくなるためには自分自身と向き合っているとすれば、そこに周りは一切関係ありません。人のせい、物のせいにするのはラク、私から言わせれば、人のせい、物の性にするのは、逃げていることと同じです。

問い:筆者の考えに合うのはどれか。

1 うまくなるためには、周りのせいにしてはいけない。

2 うまくなりたいなら、周りに合わせてはいけない。

3 周りから悪い評価を受けたら、みとめなければならない。

4 頑張っていても、周りから認められないことがある。

(6)

        本を読むことは、かつて生きた優れた人の言葉を聞ということ、読むとは、基本的に人の話を聞くことです。

        学ぶことの基本行為も「聞くこと」です。

        しかも、本を読むことが生きている人類から話を聞くことと同じとらえられれば、その読みは一層リアルになるはずです。例えば、本居宣長を読むのでもゲーテを読むのでも、僕ら生きているかのようにして読める人の方が、生の声として聞こえてくるからより一層リアルです。

        ですから、「聞く構え」ができている人は、より良く学べることにもなります。

        逆に、聞く構えがないと、相手から成長がない人と見られてしまいます。言い換えれば、「聞く気がない」と受け取られてしまうと、会社でも学校でも「この人は見込みがない」と思われてしまうのです。

        こんなふうに、学ぶ姿勢は現実の生活において、私たちの根本的な評価に関わってきます。

        学ぶことは、優れた人の話を聞いて自分を修正していくこと、あるいは、その人に憧れを持ち、その人によって自分の新たな目標が見え、歩むべき方向性が決まることです。そして、本や人の話の中から具体的なアドバイスを得て、自分の生活の中にある種の学びの習慣をつくっていく。だからこそ、読書を学びの基本にするとよいのです。

        本を読まないということは、いわば膨大な数の賢者たちから、あらかじめ見話されてしまっているということです。

問い:筆者によると、本はどのように読むといいか。

1 書かれていることを、現実の話として読む

2 書かれていることを、作者と同じ気持ちになって読む。

3 書かれていることを、前に聞いた話と比べながら読む。

4 書かれていることを、話を聞いているような気持ちで読む。

問い:「聞く構え」ができていない人について、筆者はどのように述べているか。

1 人の話を聞いてもすぐに忘れてしまう人だと思われる。

2 人の話を聞いて学ぼうという気がない人だと思われる。

3 会社や学校での評価を気にしない人だと思われる。

4 聞いてことを間違って理解するだと思われる。

問い:読書について、筆者の考えに合うのはどれか。

1 読書によって、学びの習慣を身につけていくことが大切だ。

2 優れた人の本を読むことで、その人に近づくことができる。

3 新たな目標が見つかったら、その目標に合った本を読むのがいい。

4 歩むべき方向性を決めるには、具体的なアドバイスの本を読むのがいい。

(7)

        紙は私たちの身の回りにあれているが、日本には一般的に使われている「洋紙」のほかに、古くから使われている「和紙」がある。

        洋紙は、安い価格で多量に手に入る針葉樹や広葉樹の、皮を取り除いた幹の部分を原料とする。一方和紙は、主に楮、三椏、雁皮という木の、皮の部分を使用する。また、洋紙は表面に凹凸が少なく印刷に適しているが、和紙は表面が滑らがでなく印刷には向かないという違いがある。しかし、和紙には丈夫で強く、さらに劣化しにくいので長時間保存ができるという利点もある。

        日本では六世紀ごろか和紙が使用されていたが、明治時代になり洋紙が輸入され始めると洋紙が一気に広まった。手作業で製造されていた和紙に対し、洋紙は早くから製造過程が機械化され、大量生産による安価で安定した供給が可能であったためである。その結果、和紙は洋紙に対抗できなくなり、和紙産業は衰えた。しかし、これをきっかけに和紙の製造過程も機械化が進められた。

        現在日本国内で広く用いられているのは洋紙だが、和紙は和紙でなければならない分野で活用されている。書道や絵画だけでなく、その美しさが評価されて壁紙や便箋、封筒などにも利用されており、海外でもその価値が認められている。また、丈夫で傷みにくいという利点を生かして美術作品などの修理、保存にも使われている。今後も残していきたい伝統文化である。

問い:和紙の特徴として、筆者が述べているのはどれか。

1 木の皮を取り除いた幹の部分を原料とし、丈夫で破れにくい。

2 木の皮を取り除いた幹の部分を原料とし、価格が高い。

3 木の皮の部分を原料とし、印刷に適している。

4 木の皮の部分を原料とし、長く保存できる。

問い:和紙は洋紙に対抗できなくなりとあるが、なぜか。

1 和紙は大量に生産することができなかったから

2 和紙は日本国内であまり利用されていなかったから

3 和紙より洋紙のほうが品質がよかったから

4 和紙より洋紙のほうが珍しくて人気があったから

問い:和紙について、筆者はどのように考えているか。

1 和紙の特徴を生かせるような、新しい利用方法を考えていきたい。

2 海外でも、和紙の価値が認められるようしていきたい。

3 洋紙のよさを取り入れて、和紙をよりよいものにしたい。

4 洋紙にはない和紙のよさがあるから、守っていきたい。

(8)

        現代の若者は、「温かさ」まで人から与えてもらえるものだと期待している。なにもかも、自分に向かって訪れるものだと信じている。だから、そういうものが自分にやってこないと、相手が悪い、周囲が悪い、社会が悪い、国が悪い、経済が悪い、運が悪い、時代が悪いということになってしまう。ーーーそのような分析ーーーもけっこうだが、たとえそれらしい原因をみつけても、解決の方法を見出すことはできないだろう。自分のことならなんとかなるが、相手や周囲や社会や国や経済や運や時代は、自分の努力では変えらないからだ。

        それなのに、解決策がどこかにないだろうか、とーー「検索」する。検索で解決するようなものだったら、「問題」とはいえないことにも気づいていない。

        情報化社会において人は、自分の思うとおりにならないのは、なんらかの情報を自分が「知らない」せいだ、と解釈してしまう。必死になってネットを検索するのも、また、友達の話や、たまたま耳にしたことを簡単に信じてしまうのも、「知る」ことで問題が解決できると信じているせいだ。

        検索できるものは、過去に存在した情報だけだ。知ることができるのも、既に存在している知見だけである。しかし、自分の問題を解決する方法は、自分で考え、模索し、新たに編み出さなければならないものなのである。

        自分の生き方に関する問題は、どこかに解決策が書かれているはずがない。検索しても見つかるはずがない。どんなに同じような道に見えても、先輩の言葉が全面的に通用するわけでもない。自分で生きながら、見つけるしかないのである。

問い:そのような分析とはどのような分析か。

1 自分の期待どおりにならないのは自分以外が原因だと考える。

2 自分に努力では周囲を変えることはできないと考える。

3 自分が持っていないものは人から与えてもらえると考える。

4 周囲や社会で悪いことが起こっても自分とは関係ないと考える。

問い:検索すうるのはなぜか。

1 自分で考えた解決策が正しいか確認できると思っているから。

2 さまざまな情報を使って解決策を生み出すことができるから。

3 情報を知れば、問題が解決できると思っているから。

4 友達の話より信頼できる情報が得られるから

問い:筆者が言いたいことは何か。

1 検索した情報に頼らずに人とは違う生き方を見つけるべきだ。

2 周りの人の言葉や情報を生かして自分の問題を解決すべきだ。

3 自分の問題を解決する方法は自分で考え出すべきだ。

4 自分に必要な情報を探して問題を解決すべきだ。

(8)

A

        旅を準備をする時から始まります。目的地の気候、歴史、文化などについて調べ、どんなことをするか計画を立て、必要なものを準備します。さらに、旅行中に多くのことができるように、無駄のない予定を仕組み、電車やバスや宿泊場所を予約しておきます。そいすれば、余計なことに時間をとらえないで旅を楽しむことができます。

        旅の楽しみは、その土地の名所を訪ねたり名産品を食べたりして、普段の生活とは違う経験をすることだと思います。旅先では予想外の出来事にあうこともありますが、しっかり準備をしておけば、時間やお金を無駄にせずに、楽しみ旅ができるでしょう。

B

        私は行きたいと思ったらすぐ旅に出るのが好きです。駅に行き最初に乗れる電車に乗り、降りたい駅で降りて、その土地の人が勧めてくれる旅館やホテルに泊まります。何を食べるか、次の日に何をするか、どこへ行くかも、土地の人に話を聞くのが一番です。そこには、出発前には知らなかった新しい発見があります。また、新しく知り合った人と気が合えば一緒に行動するのも面白いものです。旅では何が起こるか分かりませんから、状況に合わせて好きなように予定を決めればいいのです。日常では味わえない自由な時間が過ごせ、楽しい旅になります。

問い:旅について、AとBはどのように述べているか。

1 AもBも、しっかり準備をすることが大切だと述べている。

2 AもBも、準備をしたうえで、状況に合わせて予定を変えるのがいいと述べている。

3 Aは十分に準備をしたほうがいいと述べ、Bは準備をしなくてもいいと述べている。

4 Aは準備した計画は変えない方がいいと述べ、Bは準備をする必要はないと述べている。

問い:旅の楽しみについて、AとBはどのように述べているか。

1 AもBも、その土地の人から話を聞くことだと述べている。

2 AもBも、日々の生活であできない経験をすることだと述べている。

3 Aは無駄のない時間を過ごすことだと述べ、Bは気分転換をすることだと述べている。

4    Aはその土地でしかできない経験をすることだと述べ、Bは新しい友人を作ることだと述べている。

(9)

        正しい仕事の任せ方というのは、一体どのようなものだろうか。

        理想的なのは、部下の実力よりも少し上のレベルの仕事ーー部下が何とか自分の力で判断・実行することができ、ときには小さな失敗を招くであろうレベルの仕事を任せることだ。

        ***そういう仕事***を、段階的にレベルを上げながら与えていくことで、部下は着実には仕事力を磨いていくのだ。

        ところが、そのような仕事を部下に与えたとしても、日本の会社では、「ホウ・レン・ソウ」(報告・連続・相談)などといって、上司がいちいち部下の仕事に干渉しがちだ。そして結局は、部下に自分の力でハードルを乗り超えさせないことが多い。

        たとえば、あるプレゼン資料を部下につくらせるとする。日本の会社の多くの上司は、全体像を示さず、ただ「こういうものをつくれ」と部下に曖昧に命じ、持ってこさせる。

        そして「ここをこう直せ」と要求し、部下はその意図がわからないまま上司の指示通りに修正をする。そんなことを何度を繰り返す。その結果、部下に身につくのは、エクセルやらポワーポントの操作法だけ、ということになる。これでは、レベルの高いプレゼン資料を自分で考え、つり上げる力はつかないだろう。

        そうではなく、「この資料は、こういう目的で、こういう相手に対して、このように説得するために使用するものだ」という全体像を事前に明確に説明すべきだ。

        その上で、見本を見せて、あとは部下の創意工夫に任せ、部下に最善だと思う資料ができるまで口出しはしないことだ。

        結果的に出来上がるものが、上司の想定するものと違うこともあるだろう。しかし、その資料をつくる意図、全体像がつかめていれば、なぜいけないのか、どこが悪いのか、どう修正せればよくなるのかがわかるし、上司からの修正指示に納得もできるし、学ぶこともできる。

        部下は、「いや、そういう目的なら、自分だったらこうするけどな。。。」と思うかもしれない。それならそれでいいのだ。そういうことを積み重ねながら、最終的には、部下は自分なりの仕事のやり方を確立していくはずだ。上司では考えられなかったようなレベルの高い資料を作ることも、いずれはあるかもしれない。

        繰り返すが「部下を教育するのが上司の役目」というのは間違っている。部下を育てるのは「仕事」そのものであり、その仕事をするための「場を与える」のが上司の役目なのである。

問い:そういう仕事とはどのような仕事か。

1 上司の助けがあれば、大きな失敗をしないような仕事

2 部下が自身の力で問題なくできるような仕事

3 失敗する可能性があっても、部下自身がしたいと思うような仕事

4 実力を超えているが、部下自身で最後までできるような仕事

問い:筆者によると、上司が部下にプレゼン資料を作成させるときに大切なことは何か。

1 事前に見本を見せて、部下のわからない部分を教えること

2 事前に全体像を示したら、あとは部下に任せること

3 部下のアイデアを取り入れた上で、最善の方法を指示すること

4 最初から完成まで何も言わず、自分のやり方でさせること

問い:筆者によると、上司としてするべきことは何か。

1 部下が仕事を通して成長できるような状況をつくること

2 部下が最終的に自分の力で仕事ができるように教育すること

3 部下が上司を追い越せるようなレベルになるまで育てること

4 部下が上司の仕事のやり方を学べるような環境を整えること

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