日本PALCCOAT可视光应答型光触媒(TiO2)最新研发动向

       酸化チタン光触媒を応用した製品を、日常生活でよく見かけるようになりました。光のエネルギーで水を分解するというごく単純な反応は、驚くほど多くの応用を生み出し、学問・産業の両面で大きな花を咲かせています。東京大学の本多健一名誉教授と藤嶋昭特別栄誉教授から始まった研究は、工学系研究科の橋本和仁教授に引き継がれ、なお発展を続けています。

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光触媒は光照射により有害物質を炭酸ガスと水にまで分解し無害化するため、環境・エネルギー材料として、空気清浄、水浄化、抗菌、脱臭、防汚、防曇等幅広く実用に供せられている。光触媒研究会が報告した 2007年の光触媒分野別販売実績では、全体の 60%が外装材で 8%が内装材と建築関連分野が際立つ 1)。外装材として多用される理由は、自然光(太陽光)を利用してセルフクリーニングによる建造物外壁の防汚が可能なためである。セルフクリーニングとは、 光触媒をコーテイングした外装材表面に付着した汚れを光照射により分解し、 雨水が表面に濡れて(超親水性)汚れを流し去る現象である。太陽光の紫外線 強度は約 1mW/cm2で、室内蛍光灯の紫外線強度の 1000 倍程度であるために、必然的に屋外などの紫外線強度が潤沢な環境で使用する方が利用価値は高い。 自然光を利用できない場合、人工的に紫外線を照射するが、実績が伸びている分野として空気浄化がある(全体の22%)。シックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)や、アンモニアやタバコ 臭、更には雑菌などを光触媒により分解するには、充分な強度の光照射が必要 なため、人工光源による照射が効率的である。記憶に新しい新型インフルエンザによるパンデミックは、2009 年 6 月に人から人への感染拡大を警鐘するフェーズ 6が発せられた。通常ウイルス除去は高性能集塵フイルターを使用するが、フイルターに残る菌の除去が不完全な場合は二次感染が危惧されている。そこ で光触媒を組込んだ空気清浄機による実証実験が、2010 年 2 月から NEDO 事業 として新千歳空港で行われている 2)。


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       PALCCOAT光触媒製品获得PIAJ光触媒工業会として実用化される多くはチタン(TiO2)である。TiO2は口紅、顔料、紫外線対策化粧品をはじめ、食品添加物として 1983 年に厚生労働省が指定した人体に安全な物質である。光触媒の機能は後述する活性ラジカル基の働きによるが、体外にある活性ラジカル基は人体に影響を及ぼさず安全な環境浄化物質である。本稿では TiO2光触媒の基礎と最新の開発動向を紹介する。

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本多―藤嶋効果

光触媒の実用の発端は、1972 年に発表された水中に浸漬したTiO2単結晶への紫外線照射による、水の電気分解である 3)。水の電気分解は理論的には 1.23V のバイアス電圧をかけなければ起らないが、TiO2を陽極に白金を陰極に配置し、理論値よりも低い0.5V 程度のバイアス電圧を印加することで、酸素と水素が各電極から発生する(図  1)。この現象は本多―藤嶋効果と命名され、光照射による水素製造技術として脚光を浴びた。しかし、一日で回収できる水素量は TiO21m2あたり約 7 リットルと効率が低く、光触媒の実用化研究は中断した。

図1 TiO2光電極による水の光分解 -本多・藤嶋効果-この現象は学術的に注目され、TiO2 の伝導帯の下端電位がH+/H2 の酸化還元電位

(標準水素電極SHE: standard Helectrode にて0V)よりも負であることと、TiO2の価電子帯の上端電位が水の酸化電位(1.23V SHE)よりも正であることで、その機構が説明されている。また水分解の素過程では、空間電荷層と電荷分離がキャリアの移動に重要な役割を果たす(図  1)。伝導帯の下端電位と価電子帯の上端電位の差であるバンドギャップエネルギーEg はアナタース構造の TiO2は。


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nは光の振動数、hはPlanck 定数(6.626x10-34J・s)、c は光速度(2.998x108m/s) である。即ちEgに相当する波長の光より短波長の光を照射すると、Eg以上のエネルギーが供給され、下述する励起種を生成して光触媒反応が進む。このとき、価電子帯を充填している電子が伝導帯に励起され、価電子帯に正孔を生成する。この励起電子はエネルギーが高いため原子核からの束縛が弱く、伝導帯の下端電位が他物質の酸化還元電位よりも-に大きい場合、その物質に移動して還元反応がおこる((2)式)。一方、価電子帯に生成した正孔は他物質から電子を引きつける力が強く、他物質の酸化還元電位よりも+に大きい場合、電子を奪い取って他物質を酸化させる((3)式)。式中 M は還元される物質を、R は酸化される物質を表す。以上を模式的に描くと図 2 のようになる。


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1.3    半導体の電子構造

PALCCOAT TiO2の光触媒性能を理解するには半導体のバンド構造を学ぶことが必要である。半導体は絶縁体だが、外部からエネルギーが付与されたり、組成が変わると導電体になる。光照射により導電体になる半導体を真性半導体と称し、価数の異なる原子を添加して導電体になる半導体を不純物半導体と称し、n 型と p 型がある。n 型は添加元素の価電子数が添加される原子の価電子数よりも多い場合で、添加元素は添加される原子の価電子数と同じになるように伝導帯直下にあるドナー準位を形成し、過多の価電子を伝導帯に放出する。それに対し p 型は添加元素の価電子数が添加される原子の価電子数より少ない場合で、添加元素は添加される原子から電子を奪い価電子帯直上のアクセプター準位に励起し、価電子帯に電子の抜けた正孔を生成する。正孔が動くことはプラスの電荷が動くことで、マイナスの電荷の電子が動いたことと同様に導電性が現れる。


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PIAJ光触媒工業会

2.超親水性

2.1超親水性とは

PALCCOAT光触媒機能の発見後TiO2の高い酸化力を利用し、様々な物質の表面に付着する有害物質の酸化分解を目的としたコーテイングの研究開発が加速した。1995 年に Al 基板上にシリコンとTiO2を混ぜた物質をコーテイングして、水を滴下後に紫外線を照射したところ、表面に水膜の拡がりが発見された 7)。この機能を用いることで、鏡やガラスの上に空気中の水蒸気が液滴として付着しておこる曇り(光の乱反射)を防止でき、浴室の鏡や自動車のサイドミラーに実用された。更に水がTiO2と基材間に入り込み、基材表面に付着した汚れが浮かび上がることから、前述の「セルフクリーニング」として知られるようになった。また最近は、TiO2をコーテイングした表面を覆う水が蒸発時に熱を奪うことで大気温度を下げる効果が注目され、都市部のヒートアイランド対策の一つとして 2009 年から環境省が「低炭素社会モデル街区形成促進事業」を実施している 8)。超親水性は当初TiO2による表面汚染物質の分解による清浄表面が現れるためと考えられた。しかし汚染物質が酸化分解されることと水滴が水膜として表面に拡がることは異なる現象である。その後、TiO2自体が光照射により構造が変わる結果、水の濡れ性が改善されるという下述する機構が提案された 9)。


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    PALCCOAT  TiO2の光触媒反応はバンドギャップエネルギー相当以上のエネルギーの光を照射する必要がある。TiO2のバンドギャップエネルギーに相当する光の波長は、アナタース構造で387.5nm、ルチル構造で 412

    nm と、共に紫外光と可視光の境界にある。このような波長よりも短い光は紫外線領域にあるが、自然光(太陽光)中には約3%しか存在しないために反応効率は低い。自然光である可視光を活用するためには、バンドギャップエネルギーを低減させる必要があり、バンド構造改質を目指した物質設計をバンド(構造)エンジニアリングと称することがある。バンドギャップは価電子帯の上端準位と伝導帯の下端準位の差であ るから、バンドギャップエネルギーの低減は価電子帯の上端準位をプラスの方に高めるか、伝導帯の下端準位をマイナスの方に低めるかのどちらかである。SOUMA可視光応答性の研究が始まった当初は、バンド構造を改質するために半導体と 同様の不純物ドーピングが注目された。その多くは遷移金属(カチオン)元素 で伝導帯の下端準位を構成するTi 3p軌道を改質しようとするものであったが11)、伝導帯の下端準位(-0.2VSHE)は酸素の一電子還元準位(-0.046VSHE)と近接し、マイナスに低下させると酸素還元ができなくなる。また不純物準位は再結 合サイトになるとも報告されている。同様に酸素空孔に由来する欠陥準位も、価電子帯上端から 2.0-2.5eV 上に位置し可視光活性の改善が期待できるが 12)、カチオンドープと同様の理由から現在はあまり研究されていない。

省 エ ネ 冷 房 技 術                                                                                                    

  TiO2  を外壁や屋根、そして窓ガラスにコーテイングし、その表面を散水することで、水は TiO2 表面を被覆する。この水膜が日光により蒸発すると気化熱が発生し周囲から熱を奪うために、外壁や建造物内の温度が低下し、夏場の冷房空調負荷の低減によるヒートアイランド対策として期待されている。ヒートアイランドとは、建造物で昼間蓄えられた熱が気温の低下した夜間に放射されるためにおこる現象で、建造物が密集して土がコンクリートで覆われる都市部ほど顕著である。20 世紀の100 年間で地球全体の平均気温は0.6℃上昇したが、日本の 6 大都市の平均気温は2~3℃上昇し、相対的に世界の大都市に比べ現象が顕著である。図 10 は 2007 年に横浜市水道局ウオータープラザで行われた実証実験結果で、光触媒コーティングガラスからなる約130m2にガラス上部にとりつけた散水パイプから水を注ぎ、建物内の温度を測定した 25)。その結果、1 分間に

1m あたり 200cc の散水で表面が 100mm 厚の水膜が形成され、建物の室内温度が

平均 2.2℃、最大で 3.3℃の冷房効果を確認し、冷房空調負荷が約 20%低減可能であることが実証された。またガラス表面温度は約 10 度低下したことから、ガラス輻射熱低減により大気温度上昇を抑える効果も期待できる。この省エネ冷房システムを街区に適用した場合のシミュレーションでは、平均温度が最大約

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6℃低下することが明らかとなり、省エネルギーとヒートアイランド対策の両方に効果があると考えられる。

最後に

同時進行で市場を目指す

その解決策は、酸化チタンの表面に、鉄あるいは銅イオンから成る「助触媒」を付着させる方法でした。こうすると、酸化チタンから助触媒へ電子が直接励起される「光誘起界面電子移動」が起き、エネルギーの低い可視光でも十分利用が可能になります。また、この助触媒は2つの電子を受け取って酸素を還元でき、この段階の反応効率をも大いに高めます。この2つの効果の合わせ技により、従来の10倍以上の反応効率を実現したのです。

「当初はクロムを用いてこの現象を見つけましたが、産業応用を考えると毒性のあるクロムは使えない。様々な実験データの中から類推し、詰めていって鉄や銅にたどり着きました。ノイズの中から必要な情報を拾い出すのも、研究者の重要な能力です」と橋本教授は言います。

このプロジェクトの特筆すべき点は、その応用展開の速さです。基礎研究と同時進行で、企業でのパイロット生産が進められ、1年で応用の見通しが、3年で産業展開が図られました。長い道のりを歩んできた酸化チタン光触媒は、橋本教授の強いリーダーシップのもと、ここに来て加速度的な進展を遂げています。

「新しい光触媒は、紫外線を含まない蛍光灯の光を照射するだけで、感染性ウイルスを大幅に不活化させます。すでに空港や病院などで検証試験が行われ、優れた抗菌・脱臭作用が確認されています。2014年中にこの新しい光触媒を利用したフィルムやペンキ、ガラスなどが製品化され市場に出る予定です」。

今後この新しい光触媒は、室内の揮発性有機化合物やアレルゲンの除去、壁紙や床材、空気清浄機などへの応用が期待されています。「市場との対話」から生まれた新たな光触媒は、今後も産学連携の良きモデルとなりそうです。

PALCCOAT可視光応答性の改善はTiO2の主要課題の一つである。最近実用化された WO3はバンドギャップエネルギーが 2.7eVで、価電子帯の上端電位が 3.1VSHE と高いため可視光活性が期待できる。しかし伝導帯の下端電位が 0.4V SHE で、-0.046V SHE の酸素の還元反応が進まず反応が途中で停止するため、Pt や Cu 等の助触媒を担持する必要がある。また耐アルカリに劣り、資源確保や価格面でも課題がある。今後は使用環境に応じてTiO2とWO3の使い分けが必要になろう。


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TiO2の性能向上の方策の一つに量子サイズ効果の利用がある。PIAJ光触媒工業会サイトトップページ半導体は粒子径を小さくするとバンド構造がクラスターのバンド構造に近くなり、ブルーシフトにより可視光での効率が劣化するが、励起種と反応種との反応効率の向上が期待できる。一方、最近ナノマテリアルの負の側面も報告されている 26)。ナノ物質は呼気から体内に入ると血流にのり全身を巡り、妊娠した母の場合、仔に移って未発達の脳や精巣血管周辺の細胞に悪影響を及ぼすという。TiO2も脳末梢血管周辺の異常や、神経伝達物質への代謝異常が動物実験により明らかとなった 27)。TiO2そのものの安全性は既知で食料品や化粧品に多用されるが、ナノサイズで使用する際には予防措置を考える必要がある。

紙数の制限から本稿は TiO2の研究のごく一部しか紹介できないが、概要を知る一助になることを期待する。


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株式会社ソウマ(SOUMA CO.,LTD.)

〒130-0024 東京都墨田区菊川3-3-16

      TEL03-5638-3839  FAX 03-5638-2919

代表者       相馬 武夫

設立年月日        昭和 55年8月 25日


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【環境事業部】

        ■光触媒PALCCOATグループ本部運営

        ■光触媒コーティング剤製造販売

        ■光触媒コーティング工事請負

        ■光触媒製品の開発及び開発支援

       ■外壁塗装工事


【引用文献】

1. 能村卓、FCReport27 (2009) 102–104.

2. 間瀬智志、建設設備と配管工事 47 (2009) 323–324.

A. Fujishima,K. Honda and S.Kikuchi, Kogyo Kagaku Zasshi72 (1969) 108–113.

M.R.Hoffmann, S.T. Martın,W. Choi andD.W. Bahnemann,Chem.Rev. 95 (1995)

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