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329.【と】 『灯台(とうだい)下(もと)暗(くら)し』 (2006.04.17)
『灯台下暗し』[=燈台~]
「灯台」は、昔の室内照明具のこと。灯台のすぐ下は却(かえ)って光が届かず暗いことから、身近な事情に疎(うと)いこと。身近な事は、案外分かり難(にく)いものであるという喩え。
類:●近くて見えぬは睫●秘事は睫の如し●遠きを知りて近きを知らず●傍目八目
疎い [うとい]  〔縁遠い〕疏远 

330.【と】 『問(と)うに落(お)ちず語(かた)るに落つ』 (2006.04.24)
『問うに落ちず語るに落つ』
問われると、用心して中々真実を語らないものであるが、何気なく語るときには、ふと真実を漏らしてしまうものだということ。
巨星落つ 巨星殒落

331.【と】 『豆腐(とうふ)に鎹(かすがい)』 (2006.05.01)
『豆腐に鎹』
意見をしてもまったく手応えがなく、効き目がないことの喩え。
類:●糠に釘●暖簾に腕押し●沢庵の重石に茶袋

332.【と】 『東奔西走(とうほんせいそう)』 (2006.05.08)
『東奔西走』
東に西に奔走(ほんそう)すること。あちらこちらと駆け回ること。
類:●東走西奔●南船北馬

333.【と】 『桃李(とうり)言わざれども下(した)自(おの)ずから蹊(けい)を成す』 (2006.05.16)
『桃李言わざれども下自ずから蹊を成す』
桃や李(すもも)は何も言わないが、花の美しさに惹(ひ)かれて多くの人が集まってくるから、木の下には自然と道ができる。徳望のある人のところには、自(みずか)ら求めなくても、その徳を慕(した)って人が自然と集まって来ることの喩え。
"徳望  [とくぼう]
德望"

334.【と】 『登竜門(とうりゅうもん・とうりょうもん)』 (2006.05.22)
『登竜門』
立身出世に繋(つな)がる難しい関門。難関。また、運命を決めるような大切な試験。
参考:「竜門」は中国の黄河上流の急流。そこに集まる多くの鯉のうち、もし登るものがあれば竜に化するとの言い伝えがあり、元来は出世の糸口を掴(つか)むの意。

335.【と】 『十日(とおか)の菊(きく)』 (2006.05.29)
『十日の菊』
1.菊の節供(陰暦9月9日)の翌日の菊のこと。菊の節供を過ぎたのに、仏壇などに飾られている菊。
2.転じて、時期に遅れて役に立たないことの喩え。
類:●残菊●後(のち)の菊●六日の菖蒲●六菖十菊●夏の小袖●夏の布子●夏炉冬扇●後の祭り●寒に帷子土用に布子

336.【と】 『遠(とお)くの親類(しんるい)より近くの他人(たにん)』 (2006.06.05)
『遠くの親類より近くの他人』
遠方にいる親類よりも、近隣(きんりん)に住む他人の方が、いざというときには頼(たよ)りになる。また、疎遠(そえん)な親類よりも親密な他人の方が却(かえ)って助けになるということ。

337.【と】 『時(とき)は金(かね)なり』 (2006.06.19)
『時は金なり』
英語のTime is moneyを直訳したもの。時間は貴重であり有効なものであるから、無駄に費やしてはいけない。時間の尊さを教えたベンジャミン・フランクリンの格言。

338.【と】『読書(どくしょ)百遍(ひゃっぺん)意(い)自(おの)ずから通(つう)ず』 (2006.06.26)
『読書百遍意自ずから通ず』[=義~]・[=見(あらわ)る]
1.文意の通じないところのある書物も、百遍も繰り返して熟読すれば自然に明らかになる。乱読を戒(いまし)め、熟読が肝心であると説(と)いた言葉。
2.他人に頼る前に、先(ま)ず自分でしなさいということ。
類:●Repeated reading makes the meaning clear.

339.【と】 『毒(どく)を食(く)らわば皿(さら)まで』 (2006.07.03)
『毒を食らわば皿まで』[=喰らわば~・舐めれば~]
既に罪を犯してしまったのだから躊躇(ためら)わずに最後まで悪に徹しようという考え。また軽く、どうせここまでやったのなら最後まで遣り通そう、という使われ方もする。
類:●毒を舐めれば皿まで●毒を食わば皿を舐(ねぶ)れ●Over shoes, over boots.(どのみち靴が泥に浸(つ)かるなら、長靴の上まで浸かってしまえ)

340.【と】 『毒(どく)を以(も)って毒を制(せい)す』 (2006.07.23)
『毒を以って毒を制す』
悪性の病気を毒性の強い薬で治療するように、悪を除くために、悪を利用すること。悪人を退治するのに、悪人を使ってする。
類:●油を以って油煙を落とす●邪を禁ずるに邪を以ってす●楔を以って楔を抜く●夷を以って夷を制す

341.【と】 『所(ところ)変(か)われば品(しな)変わる』 (2006.07.31)
『所変われば品変わる』
土地が違えば、それに従って風俗・習慣・言語などが違うものである。

342.【と】 『年(とし))には勝(か)てぬ』 (2006.08.07)
『年には勝てぬ』
年を取ると、気力はあっても身体が言うことを聞かない。健康や体力が気力に伴(ともな)わない。
気力  [きりょく] 气力,精力,元气,魄力

343.【と】 『年寄(としよ)りの冷(ひ)や水(みず)』 (2007.01.03)
『年寄りの冷や水』
老人が冷水を浴びるという意味で、老人に不相応な危険な行為や、差し出た言動をすることの喩え。また、それを冷やかして言う言葉。
類:●老いの木登り●年寄りの力自慢●ずくなしの冷や水

344.【と】 『図南(となん)』 (2007.02.25)
『図南[=の翼・の志]』
鵬(おおとり)が南方に向かって翼を広げようとしているという意味で、大志を抱き、遠くの地で大事業を成そうとすること。
 類:●南するを図る●図南
大志 大志をいだく
成す  [nasu] [なす]

345.【と】 『斗南(となん)の一人(いちにん)』 (2008.01.14)
『斗南の一人』
北斗星より南で第一の人。また、天下第一の賢人。
類:●北斗以南一人のみ●天下無双
★斗南(となん) (「斗」は北斗星。北斗星より南の意で、唐の狄仁傑(てきじんけつ)が、その賢を「北斗以南一人而已矣」と称せられたという「唐書-狄仁傑伝」の故事から) 天下。<国語大辞典(小学館)>

346.【と】 『駑馬(どば)に鞭(むち)打つ』 (2008.??.??)
『駑馬に鞭打つ』
能力がない者に無理に力以上のことをさせるということで、自分を指して、能力はないが精一杯努めるつもりであることを謙遜していう言葉。
 例:「駑馬に鞭打って勤め上げます」

347.【と】 『鳶(とび・とんび)が鷹(たか)を生(う)む』
『鳶が鷹を生む』[=孔雀を~]
平凡な親が優れた子を生むことの喩え。
類:●鳶が鷹●鳶が孔雀を生む●烏の白糞●雉が鷹を生む
反:●瓜の蔓に茄子はならぬ●蛙の子は蛙

348.【と】 『飛ぶ鳥を落とす』
『飛ぶ鳥を落とす』[も~・までも~]
飛ぶ鳥さえ地上に落ちてくるほど、非常に権勢が盛んなことの喩え。 例:「あのIT企業は飛ぶ鳥を落とす勢いだ」
類:●空飛ぶ鳥も落とす●立つ鳥の落つるよう●飛ぶ鳥も落つ●旭日昇天の勢い

349.【と】 『虎(とら)の威(い)を借(か)る狐(きつね)』
『虎の威を借る狐』
他人の権勢に頼って威張る小人物の喩え。
類:●晏子(あんし)の御(ぎょ)●笠に着る●甲に着る

350.【と】 『虎(とら)は死(し)して皮(かわ)を残(のこ)す』
『虎は死して皮を残す』[=留(とど)む]
虎は死後も皮となって珍重される。同様に、人はその死後に残した名誉や功績で評価される。死後に名誉・功績を残すべきである、ということの喩え。
同:●虎は死して皮を残し人は死して名を残す

351.【と】 『鳥(とり)無き里(さと)の蝙蝠(こうもり・こうぶり)』
『鳥無き里の蝙蝠』[=島の~]
鳥がいない所では、空を飛べる蝙蝠が威張るという意味で、優れた者がいない所では、つまらない者が幅を利かすということの喩え。

352.【と】 『泥棒(どろぼう)を見て縄(なわ)を綯(な)う』
『泥棒を見て縄を綯う』[=捕らえて~]
1.事件が起こってから慌てて準備をしても間に合わない。時機に遅れては用をなさないことの喩え。
2.準備を怠(おこた)って行きあたりばったりにものごとを行なうこと。
類:●泥縄●盗人を捕らえて縄を綯う●渇に臨みて井を穿つ●難に臨んで兵を鋳る●兎を見て鷹を放つ●喧嘩過ぎての棒乳切り●敵を見て矢を矧(は)ぐ

353.【な】 『無(な)い袖(そで)は振(ふ)れない』
『無い袖は振れない』[=振れぬ]
実際持っていないものは出しようがない。してやりたいと思っても、力がなくてどうにもならない。
類:●ない袖振って付き合われぬ●ない知恵は出せぬ●Nothing comes of nothing. (無から有は生じない)
★江戸時代、着物の袖に銭入れを入れていたことによる。ない銭は貸せないということから。

354.【な】 『泣いて馬謖(ばしょく)を斬(き)る』
『泣いて馬謖を斬る』
私情において忍びないが、全体の統制を保つために、仮令(たとえ)愛する者でも止むを得ず処罰する。
類:●涙を揮って馬謖を斬る
忍びない  [しのびない] 忍不住,不忍

355.【な】 『長(なが)い物(もの)には巻(ま)かれろ』
『長い物には巻かれろ』
目上の者や勢力ある者には、反抗しないで、我慢して従っていた方が得策である。
類:●寄らば大樹の蔭

356.【な】 『泣(な)き面(つら)に蜂(はち)』
『泣き面に蜂』
泣いている顔を蜂が刺すということで、不幸・不運の上に、更に悪いことが重なることの喩え。
類:●弱り目に祟り目●傷口に塩を塗る●痛い上の針●踏んだり蹴ったり●It never rains but it pours. (降るときは必ずどしゃ降り)●One misfortune rides upon another's back. (災難は続くもの)

357.【な】 『泣く子と地頭(じとう)には勝てぬ』
『泣く子と地頭には勝てぬ』
聞き分けがない子供や、横暴な地頭には従(したが)うほかにない。道理を尽くしても、理の通じない者には勝ち目がないということ。

358.【な】 『情(なさ)けは人(ひと)の為(ため)ならず』
『情けは人の為ならず』
情けを他人に掛けることは、単にその人のためではなく、それが巡(めぐ)り巡って、やがて自分にも善い報(むく)いが来るものだということ。人には親切にしなさいという教訓。
類:●One good turn deserves another.
反:■情けも過ぐれば仇となる

359.【な】 『七重(ななえ)の膝を八重(やえ)に折(お)る』
『七重の膝を八重に折る』
膝を幾重にも折り重ねるほど腰を低くするという意味で、丁寧な上にも更に丁寧に、懇願・謝罪する。
類:●七重の膝を十重も折る
幾重  [いくえ] 几层,几重

360.【な】 『名(な)は体(たい)を表(あら)わす』
『名は体を表わす』
名はそのままそのものの実体を示している。名(めい)と実(じつ)は相応じている。

361.【な】 『怠(なま)け者の節句働(せっくばたら)き』
『怠け者の節句働き』
普段怠(なま)けている者に限って、他人が休んでいる時に働くものである。
類:●横着者の節句働き●のらの節句働き

362.【な】 『蛞蝓(なめくじ)に塩(しお)』
『蛞蝓に塩』
塩を掛けられた蛞蝓が縮んでしまうように、苦手なものの前に出たりしたときに、すっかり萎縮してしまうことの喩え。
類:●青菜に塩●蛭(ひる)に塩●幽霊の浜風


63.【な】 『名(な)を取るより実(じつ)を取れ』
『名を取るより実を取れ』[=得を~]
実益を伴なわない、表面上の名声を得るより、実質的な利益を得る方が良い。
実質  [じっしつ] 实质,本质

364.【な】 『南柯(なんか)の夢(ゆめ)』
『南柯の夢[=一夢・一睡]』
夢のこと。また、儚(はかな)いことの喩え。
類:●槐安(かいあん)の夢●南柯の夢●槐夢(かいむ)

365.【に】 『煮(に)え湯(ゆ)を飲まされる』
『煮え湯を飲まされる』
信用して気を許していた者に裏切られて、酷(ひど)い目に遭う。
類:●飼い犬に手を噛まれる
★「煮え湯を飲まされる」は、競争相手やライバルを対象に使うのは間違い。身内の者や気を許す者を対称に使う。


366.【に】 『二階(にかい)から目薬(めぐすり)』
『二階から目薬』
二階にいる人が階下の人に目薬を点(さ)そうとするということで、思うようにならずもどかしいこと。また、回り諄(くど)くて、効果が覚束(おぼつか)ないことの喩え。
類:●天井から目薬●杯水車薪●焼け石に水
もどかしい  [もどかしい] (慢得)令人着急,令人不耐烦,急不可待
覚束無い[おぼつかない] 〔うたがわしい〕可疑
回りくどい  [まわりくどい] 绕圈子,兜圈子,转弯抹角,不直截了当,罗罗唆唆

67.【に】 『逃がした魚(さかな)は大きい』
『逃がした[=釣り落とした]魚は大きい』
手に入れかけながら逃がしたものは、自分のものを失ったように思えて、惜しまれるものだ。取り逃がしたものは、それがどんなものでも、素晴らしいものだったように思えるということ。
類:●逃げた魚は大きい●釣り落とした魚は大きい●Every fish that escapes appears greater than it is.

368.【に】 『苦虫(にがむし)を噛(か)み潰(つぶ)す』
『苦虫を噛み潰す』
不愉快な表情の喩え。苦々(にがにが)しい気持ちである様子。
また、いつも苦々しいげな顔付きをしていることや、そういう人の形容。
 例:「苦虫を噛み潰したような顔」
 ★「苦虫」は、特定の虫を指す言葉ではない。
苦苦しい  [にがにがしい] 非常不痛快,非常讨厌,很别扭

369.【に】 『憎(にく)まれっ子世に憚(はばか)る』
『憎まれっ子世に憚る[=国に~]・[=はびこる・出(い)ず]』
人から憎まれるような者に限って、世間に出て幅を利(き)かせ、威勢を揮(ふる)うものである。
類:●憎まれっ子国にはびこる●憎がられてまめまめと●Ill weeds grow apace.(雑草はたちまち茂る)
憎まれっ子世にはばかる 好人早过世,歹人横行世界;讨人厌恶的人反而得势.

370錦を衣て夜行くが如し

371.【に】 『二豎(にじゅ)』
『二豎』
「豎」は子供の意味で、ここでは、病因の変化(へんげ)である子鬼のこと。病魔。転じて、病気。疾病。

372.【に】 『似(に)たもの夫婦(ふうふ・めおと)』
『似たもの夫婦』
仲が良い夫婦は、性格や好みが互いに良く似るということ。また、そのような仲の良い夫婦。
類:●割れ鍋に綴じ蓋(とじぶた)●Like husband, like wife.

373.【に】 『二度(にど)あることは三度(さんど)ある』
『二度あることは三度ある』
同じようなことが二度続けてあったときは、続けてもう一度起こるものである。物事は、往々にして繰り返されるものである。
類:●歴史は繰り返す
反:●三度目の正直
往往  [おうおう] 往往,每每,常常

374.【に】 『二兎(にと)を追う者は一兎(いっと)をも得ず』
『二兎を追う者は一兎をも得ず』
同時に二つの物事をしようとすると、二つとも成功しない。
類:●虻蜂取らず●花も折らず実も取らず●If you run after two hares, you will catch neither.<「英⇔日」対照・名言ことわざ辞典>
反:●一挙両得●一石二鳥

375.【ぬ】 『糠(ぬか)に釘(くぎ)』
『糠に釘』
柔らかい糠に釘を打つように、手応えがなく、効き目がないことの喩え。
類:●豆腐に鎹(かすがい)●暖簾に腕押し●Plowing the sand(s). (砂地を耕す)

376.【ぬ】 『盗人(ぬすびと・ぬすっと)に追い銭(せん)』
『盗人に追い銭』[=追(おい)・追いを打つ]
盗人に物を盗まれた上に、更に銭(ぜに)を呉れてやるということで、損の上に損を重ねることの喩え。
追い銭  [おいせん] 另外多付的钱

377.【ぬ】 『濡(ぬ)れ手で粟(あわ)』
『濡れ手で粟』[=に粟]
濡れた手で粟を掴(つか)むと、粟粒がたくさん付いてくるところから、骨を折らないで利益を得ること。少ない労力で得るもの多いこと。
類:●漁夫の利●一攫千金●濡れ手で粟のぶったくり●濡れ手で粟の掴み取り

378.【ね】 『猫(ねこ)に小判(こばん)』
『猫に小判』[=石仏(いしぼとけ)]
1.どんな貴重なものでも、その価値が分からない者に与えては、何の役にも立たない。 例:「年代もののワインも彼には猫に小判だ」
2.高価なものを与えても、何の反応も効果もないことの喩え。 例:「クラブのお姉ちゃんに時計なんかあげても猫に小判だよ」
類:●犬に論語●宝の持ち腐れ●豚に真珠●Cast not your pearls before swine.(豚に真珠を投げ与えるな)

379猫の手も借りたい

380.【ね】 『猫(ねこ)を被(かぶ)る』
『猫を被る』
1.知っていながら知らない振りをする。
2.転じて、本性を隠して大人しそうに振る舞う。 類:●皮を被る●猫被りをする●蒲魚振る 例:「彼氏の前では猫を被っている」

381.【の】 『嚢中(のうちゅう)の錐(きり)』
『嚢中の錐』
袋の中に錐を入れると、自然に先が出てくる。同様に、才能ある人は、自然にそれが外に現われ出てくるということ。また、そのような人。
類:●錐嚢(すいのう)●錐の嚢中にあるが如し

382.【の】 『残(のこ)り物(もの)には福(ふく)がある』
『残り物には福がある』
人が取り残して最後に残った物には、思わぬ利得がある。人に先を譲れば、却(かえ)って、自分に福徳があるものである。
類:●余り茶に福がある●慌てる乞食は貰いが少ない●Last but not least. <「英⇔日」対照・名言ことわざ辞典>●Good luck lies in odd numbers.
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383.【の】 『喉元(のどもと)過(す)ぎれば熱(あつ)さを忘(わす)れる』
『喉元過ぎれば熱さを忘れる』[=通れば~]
熱いものも飲み込んでしまえば、熱かったことを忘れてしまうことから、苦しいことも、それが過ぎると簡単に忘れてしまうことの喩え。また、苦しいときに受けた恩を、楽になった途端に忘れてしまうことの喩え。
類:●難産色に懲りず

384.【の】 『暖簾(のれん)に腕押(うでお)し』
『暖簾に腕押し』[=と相撲]
力を入れても少しも手応えがないこと。ものごとに張り合いがないことの喩え。
類:●糠に釘●豆腐に鎹(かすがい)●暖簾と臑(すね)押し
★「腕押し」は、腕相撲のこと。

385.【は】 『背水(はいすい)の陣(じん)』
『背水の陣』
陣立ての名。背後に河川や湖海などを控えて陣を布(し)くこと。退けば水に溺れるところから、味方に決死の覚悟で戦わせる陣立て。転じて、一歩も退くことのできない絶体絶命の気構えで事に当たること。
類:●糧を捨てて舟を沈む●川を渡り船を焼く●井を塞(ふさ)ぎ竈(かまど)を平らぐ

386.【は】 『掃(は)き溜(だ)めに鶴(つる)』
『掃き溜めに鶴』
掃き溜めのような汚いところやつまらないところに、際立って優れたものがあること。また、そのもの。
類:●掃き溜めへ鶴が降りる●塵塚(ちりづか)に鶴●天水桶(てんすいおけ)に龍●堆肥の中の宝石

387.【は】 『破鏡(はきょう)』
『破鏡』
夫婦が離縁をすること。

388.【は】 『白眼(はくがん)』
『白眼』
白目で見ること。気に入らないものを見る冷たい目付き。
類:●白目  反:●青眼

389.【は】 『白玉楼(はくぎょくろう)』
『白玉楼』
文人墨客が死後に行くというあの世にある楼閣。
類:●玉楼
楼閣  [ろうかく] 楼阁

390.【は】 『白眉(はくび)』
『白眉』
多人数、または、同種の物の中で最も優れている人や物。 例:「歴史小説の白眉」
多人数  [たにんずう] 多数人,许多人

391.【は】 『破天荒(はてんこう)』
『破天荒』
1.天地未開の混沌とした状態を切り拓(ひら)くこと。
2.転じて、今まで誰も行なえなかった事を成し遂げること。前例がないこと。
類:●前代未聞●未曾有(みぞう)
混沌  [こんとん] 混沌

392.【は】 『花は桜木(さくらぎ)人は武士(ぶし)』
『花は桜木人は武士』[=桜に~]
花ならば桜が優(すぐ)れており、人ならば武士が優れている。

393.【は】 『花(はな)より団子(だんご)』
『花より団子』
風流よりは実利を取る。外観や容貌よりは実質を重んじる。虚栄(きょえい)や見栄(みえ)よりも、実益がある方を喜ぶこと。
類:●花の下より鼻の下●色気より食い気●名を取るより実を取れ

394.【は】 『早起(はやお)きは三文(さんもん)の徳(とく)』
『早起きは三文の徳』[=朝起きは~]・[=得]
早起きは健康に良い。また、早起きするとその分、何か良いことがあるものだということ。
類:●朝起きは七つの徳あり●The early bird catches the worm.(早起きの鳥が虫を捕らえる)●Early to bed and early to rise, makes a man healthy, wealthy and wise. (早寝早起きは人を健康に、裕福に、賢明にする)--Benjamin Franklin (1706-90

395腹も身の内

396.【は】 『張子(はりこ)の虎(とら)』
『張子の虎』
張子で虎の形を作って首が動くようにした玩具。転じて、首を振り動かす癖のある人や、虚勢を張る人を嘲って言う言葉。また、一々合点顔に首を振る人を軽蔑して言う場合にも使う。
類:●張り抜きの虎

397.【ひ】 『引かれ者の小唄(こうた)』
『引かれ者の小唄[=歌]』
「引かれ者」が虚勢を張って鼻歌を歌うこと。転じて、敗者が平気を装って強がる様子。一般に、負け惜しみが強いこと。
参考:引かれ者(ひかれもの) 江戸時代、刑場に引かれてゆく者。裸馬に乗せられて、市中を引き回された。

398.【ひ】 『髭(ひげ)の塵(ちり)を払(はら)う』
『髭の塵を払う[=取る]』
目上の者に媚び諂(へつら)う。
類:●胡麻(ごま)を擂(す)る●首を垂れて尾を降る
媚びる  [こびる] 谄媚,巴结,献媚,卖弄风情

399.【ひ】 『庇(ひさし)を貸して母屋(おもや)を取られる』
『庇を貸して母屋を取られる』
家の一部を貸したために結局その全部が奪い取られるという意味で、然程重要じゃない一部分を貸したのが元で、本拠まで占領されること。また、保護してやった恩を仇(あだ)で返されること。
類:●片屋(かたや)貸して母屋取られる●貸家栄えて母屋倒る●軒を貸して母屋を取られる●鉈(なた)を貸して山を伐(き)られる
然程重要 如此重要

400尾生の信

401.【ひ】 『顰(ひそみ・ひん)に効(なら)う』
『顰に効う』[=倣う]
事の善し悪しを考えず、徒(いたずら)に人真似(まね)をする。また、人に倣って行動することを謙遜して使う。
類:●西施の顰に効う●東施効顰

402.【ひ】 『人を呪(のろ)わば穴(あな)二つ』
『人を呪わば[=祈らば]穴二つ』
ここでの「穴」は墓穴のこと。他人を呪って殺そうと墓穴を掘る者は、その報いで自分の墓穴も掘らなければならなくなる。人に害を与えれば、結局自分も同じように害を受けるものだということ。

403.【ひ】 『髀肉之嘆(ひにくのたん)』
『髀肉之嘆』
功名を立てたり、技量・手腕を発揮したりする機会がなくて、徒(いたずら)に時を過ごす虚(むな)しさを嘆くこと。

404.【ひ】 『火のないところに煙(けむり)は立たぬ』
『火のないところに煙は立たぬ』
全く事実がない所には噂は立たない。噂が立つからには、必ず何らかの根拠がある筈だということ。
類:●煙あれば火あり●ない名は呼ばれず●蒔かぬ種は生えぬ

405.【ひ】 『百聞(ひゃくぶん)は一見(いっけん)に如(し)かず』
『百聞は一見に如かず』
100回聞くより、1回見る方が良く分かる。何度繰り返し聞いても、一度実際に見ることに及ばない。
類:●聞いた百より見た一つ●千聞は一見に如かず●論より証拠

406.【ひ】 『瓢箪(ひょうたん)から駒(こま)』
『瓢箪から駒』
1.意外な所から意外な物が出ること。主に、冗談半分で言い出したことが事実となってしまう場合などに使う。
 ★「駒」は、馬のこと。源典では、白いロバのこと。
 類:●嘘から出た実(まこと)
2.打ち消しの形を伴って、道理上絶対に起こり得ないこと。

407.【ひ】 『瓢箪鯰(ひょうたんなまず)』
『瓢箪鯰』
1.ぬらぬらしてなかなか捕まえることが出来ないこと。
2.転じて、のらりくらりとして要領を得ない者のこと。 類:●瓢箪で鯰を押さえる
3.歌舞伎所作事。長唄・常磐津。二世瀬川如皐作詞。10世杵屋六左衛門作曲。文政11年(1828)江戸中村座初演。四世中村歌右衛門の七変化舞踊「拙筆力七以呂波(にじりがきななついろは)」の一つ。襦袢(じゅばん)一枚の男が瓢箪で鯰を捕えようとする大津絵の絵柄の舞踊化。

408.【ふ】 『風声鶴唳(ふうせいかくれい)』
『風声鶴唳』
風の音と鶴が鳴く声。敗残兵は風の音や鶴の鳴き声にも、敵かと思って怯えるということ。また、些細なことにもびくびくと怖じ気付くこと。
類:●水鳥の羽音に驚く●落ち武者は芒(すすき)の穂にも怖ず
怯える[おびえる] おそれる こわがる 害怕
怖じる  [おじる] 胆怯,害怕

409.【ふ】 『風前(ふうぜん)の灯(とも)し火(び)』
『風前の灯し火』[=燈火]
風が吹き当たる場所に置かれた灯し火のことで、今にも消えようとするものの喩え。危険に直面し、生命が今にも絶えようとしている状態。
類:●風口の蝋燭●朝日の前の霜柱●小水の魚●虫の息

410.【ふ】 『笛(ふえ)吹けども踊(おど)らず』
『笛吹けども踊らず』
人に何かをさせるつもりで、様々に手立てを整えて誘っても、相手が動かないこと。先に立って扇動しても、まったく応じず、動き出そうとしないこと。
参考:「新約聖書-マタイ伝福音書第11章」 「われら笛ふけどもなんじら踊らず」
手立て  [てだて] 方法,手段,办法

411.【ふ】 『覆水(ふくすい)盆(ぼん)に反(かえ)らず』
『覆水盆に反らず[=収め難し]』[=返らず]
一度離別した夫婦の仲は元には戻らないということ。転じて、一度してしまったことは取り返しが付かないということ。
類:●落花枝に帰らず●破鏡再び照らさず●覆水は定めて収め難し〔怺冠子〕
反:●破鏡重円

412.【ふ】 『武士(ぶし)は食(く)わねど高楊枝(たかようじ)』
『武士は食わねど高楊枝』
武士は、仮令(たとえ)貧しさで物が食えなくても、満腹(まんぷく)を装(よそお)って楊枝を使うものだということ。武士は生活に窮(きゅう)しても不義や恥ずべきことを行なわない。また、武士の気位(きぐらい)の高さを喩えた言葉。
類:●鷹は飢えても穂を摘まず●内裸でも外錦●渇しても盗泉の水を飲まず
恥ずべき  [はずべき] 可耻的

413.【ふ】 『豚(ぶた)に真珠(しんじゅ)』
『豚に真珠』
価値が分からない者には、どんなに貴重な物でも、何の役にも立たないということ。
類:●猫に小判

414.【ふ】 『舟(ふね)に刻(きざ)みて剣(けん)を求む』
『舟に刻みて剣を求む』[=舟に刻(こく)して~]
ものごとに拘(こだわ)るばかりに、事態の変化に対応する力がないこと。融通が利かないこと。旧習をいつまでもいつまでも守る愚かさを戒める言葉。
類:●剣を落として船を刻む●船端(ふなばた)に刻(きざ)を付けて刀を尋ねる
愚か  [おろか] 愚蠢,愚笨,糊涂,傻

415.【ふ】 『武陵桃源(ぶりょうとうげん)』
『武陵桃源』
1.武陵の漁夫が見付けたとされる架空の地「桃源」のこと。2.転じて、別天地、理想郷のこと。
類:●桃源郷●ユートピア

416.【ふ】 『焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)』
『焚書坑儒』
書物を燃やし、儒者を坑する(穴埋めにする?)こと。転じて、言論を統制して、学問や思想を弾圧すること。

417.【へ】 『臍(へそ)が茶(ちゃ)を沸(わ)かす』
『臍が茶を沸かす』[=臍で~]
可笑(おか)しくて堪(たま)らない、また、馬鹿馬鹿しくてしかたがないということ。主に、嘲(あざけ)りの気持ちを込めて使う。 例:「ちゃんちゃらおかしくて、臍が茶を沸かすぜ」
類:●臍がくねる●臍が笑う●臍が西国(さいこく)する●臍が宿替えする●臍が縒れる●臍茶
★大笑いして腹が捩(よじ)れる様子を、湯が沸き上がるのに似ているとして言われた言葉という。

418.【へ】 『下手(へた)の考え休むに似(に)たり』
『下手の考え休むに似たり』
下手な人(名案が浮かぶ筈のない人)がいくら考えても、時間を浪費するばかりでなんの効果もないということ。元々は、碁や将棋の対戦で、長考している者を嘲(あざけ)って言ったものらしい。
★この場合の「下手」は「下手な者」の意味。「下手な考え休むに似たり」の「な」は誤用。「下手な考え休むに如かず」との混同かといわれる。

419.【へ】 『下手(へた)の横好(よこず)き』
『下手の横好き』
下手なくせに、好きで熱心である。
反:●好きこそ物の上手なれ

420.【へ】 『弁慶(べんけい)の立ち往生(おうじょう)』
『弁慶の立ち往生』
進退が窮(きわ)まること。
故事:弁慶は、衣川の合戦で、大薙刀(なぎなた)を杖にして立ったまま死んだ。 
"弁慶の立ち往生 进退维谷jìn tuì wéi gǔ『成』.
"

421.【へ】 『弁慶(べんけい)の泣(な)き所(どころ)』
『弁慶の泣き所』
1.弁慶ほどの豪傑でも痛がって泣く急所という意味。向こう脛(ずね)のこと。
2. 転じて、急所、最も弱いところ。
類:●弱点●アキレス腱

322.【ほ】 『望蜀(ぼうしょく)』
『望蜀』
既に隴(ろう)の国を得ているのにまた蜀の国をも望むという意味から、一つの望みを遂(と)げ、更にその上を望むこと。人の欲望というものは無限で、足ることを知らないこと。
類:●隴を得て蜀を望む●思う事一つ叶えばまた一つ●千石取れば万石羨む
隴  [ろう] 陇,中国甘肃省

423.【ほ】 『坊主(ぼうず)憎(にく)けりゃ袈裟(けさ)まで憎い』
『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』
ある人や物を憎むと、それに関係ある全てのものも憎く思われるということ。
反:●痘痕も靨(えくぼ)

424.【ほ】 『墨守(ぼくしゅ)』
『墨守』
城や領地などを頑固に守り通すこと。転じて、古い習慣や自説などを堅く守って変えないこと。 例:「旧習を墨守する」

425.【ぼ】 『仏(ほとけ)作って魂(たましい)入れず』
『仏作って[=造って]魂[=眼(まなこ)を]入れず』
努力して物事を殆ど成し遂げながら、最も肝要な一事が抜け落ちているということ。肝心な一点が抜けていたら、完成したとは言えない。
反:●画龍点睛

426.【ほ】 『仏(ほとけ)の顔(かお)も三度(さんど)』
『仏の顔も三度』
いかに慈悲深い仏様といえども、その顔を三度も撫でられれば腹を立てるという意味で、どんなに温厚な人でも、無法なことを何度もされれば、終(しま)いには怒る。
類:●地蔵の顔も三度●仏の顔も日に三度●兎も七日弄れば噛み付く

427.【ま】 『蒔(ま)かぬ種(たね)は生(は)えぬ』
『蒔かぬ種は生えぬ』
原因のない所に結果はない。何も働き掛けをしていないのに、良い報いを期待しても得られる道理がない。
類:●打たねば鳴らぬ●火のない所に煙は立たぬ

428.【ま】 『馬子(まご)にも衣装(いしょう)』
『馬子にも衣装』
馬子のような身分が卑(いや)しい者でも、衣装によっては立派に見えるということ。つまらない者でも外面を飾れば立派に見えるものだということ。
類:●姿は作り物●猿にも衣装●鬼瓦にも化粧

429.【ま】 『眉毛(まゆげ)を読まれる』
『眉毛[=睫(まつげ)]を読まれる』
1.化かされる。騙される。2.眉や睫は自分のものでありながら、自分では数えられないということから、自分では気付かないで、他人に好いようにされる。他人から馬鹿にされる。
類:●眉毛を数えられる

430.【ま】 『眉(まゆ)に唾(つば・つばき)を塗(ぬ)る』
『眉に唾を塗る』[=付ける]
狐や狸などに化かされないようにするには眉に唾を付けなさいという教えから、欺(あざむ)かれないように用心すること。
俗信:狐などが人を化かす時、その人の眉毛の数を数えて化けると言われていたので、数えられないように眉毛にツバを塗れば化かされないと信じられていた。
類:●眉毛を濡らす●眉唾物

431.【ま】 『眉(まゆ)に火が付く』
『眉に火が付く』[=点く]
危険が差し迫ること。状況が逼迫(ひっぱく)していること。
類:●焦眉(しょうび)の急●眉を焼く●眉を焦がす●燃眉(ねんび)の急務

432.【ま】 『真綿(まわた)で首(くび)を締(し)める』
『真綿で首を締める』
真綿は細く柔らかいが切れ難(にく)いところから、遠回しにじわじわと責めたり痛め付けたりすること。
じわじわ 一点一点地

433.【み】 『木乃伊(みいら)取(と)りが木乃伊になる』
『木乃伊取りが木乃伊になる』
ミイラを取りに行った人が、熱帯である ため乾燥して、うっかりすると自分までもミイラになってしまうというところから、人を連れ戻すために出掛けた者が、役目を果たさず、自分も先方に留まって しまうこと。また、意見しようとした者が、話しているうちに先方と同じ考えになってしまうこと。
類:●人捕る亀が人に捕られる●捕まえに出た者が捕まえられる
先方 [せんぽう] 对方,那一方面,前方,那里


434.【み】 『身(み)から出た錆(さび)』
『身から出た錆』[=出した錆]
自分の行為の報いとてして禍災を蒙(こうむ)る。自分の悪行が元で、結果として自分が苦しむこと。
類:●自業自得●因果応報●天に唾す●仇も情も我が身より出る●錆は鉄より出でて鉄を腐らす
禍災  [かさい] 祸灾,灾难
悪行  [あくぎょう] 坏事,恶行

435.【み】 『水(みず)に油(あぶら)』
『水に油』[=と油]
二つのものがしっくりと調和しないこと。二人の性分(しょうぶん)が互いに合わないこと。
類:●水と火●氷炭相容(い)れず●氷炭器を同じくせず
原語の意味にしっくりしない 和原文的意义不尽符合.

436.【み】 『味噌(みそ)を付ける』
『味噌を付ける』
1.失敗する。しくじる。巧く行かなくなる。 類:●けちが付く 例:「あいつが味噌を付けた」
2.面目(めんぼく)を失う。醜態(しゅうたい)を曝(さら)す。 例:「1つの失言が演説に味噌を付けた」
★火傷(やけど)には味噌を付けると効(き)くという俗信があったことによる。味噌を塗っている者は、うっかり火傷した(=失敗した)者であるということから。

437.【み】 『三日天下(みっかてんか・みっかでんか)』
『三日天下』
明智光秀が天下を取った期間が短かったことを指して言う。転じて、極めて短い間しか権力や地位を保てないこと。
類:●三日大名●百日天下
故事:明智光秀は、織田信長を倒してから僅(わず)か13日で豊臣秀吉に倒された。
参考:「三日」というのは僅(わず)かの間という意味。

438.【み】 『三日坊主(みっかぼうず)』
『三日坊主』
1.出家してはみたが、寺の修行のきつさに堪えられず、すぐに辞めてしまうということ。
2.転じて、飽き易くて、何をしても長続きしないこと。また、その人。

439.【み】 『三(み)つ子(ご)の魂(たましい)百(ひゃく)まで』
『三つ子の魂百まで』
幼少時代の性格や性質は、年を取っても変わらないものだ。
類:●三つ子の根性八十まで●雀百まで踊り忘れず●持った病は治らぬ

440.【み】 『耳(みみ)を掩(おお)うて鐘(かね)を盗(ぬす)む』
『耳を掩うて鐘を盗む』「=~鈴を盗む]
1.良心に反する行為をしていながら、強(し)いてそのことを考えないように努めること。小策を弄(ろう)して自分を欺(あざむ)くこと。
 類:●耳を掩うて鈴を盗む●目を掩うて雀を捕らう
2.自分では悪事を巧(うま)く隠し果(おお)せたと思っていても、世間の人は皆知っているということ。

441.【み】 『六日(むいか)の菖蒲(しょうぶ・あやめ)』
『六日の菖蒲』
五月五日の端午の節供の翌日の菖蒲という意味で、転じて、時機に遅れて役に立たないもののこと。
類:●十日の菊●六菖十菊●六日の菖蒲十日の菊●夏の小袖●夏の布子●夏炉冬扇●後の祭り

442.【む】 『昔(むかし)取った杵柄(きねづか)』
『昔取った杵柄』
1.過去に鍛えた腕前。昔、修練して腕に覚えのある技量。
2.嘗(かつ)ては巧くこなすことが出来たこと。
腕に覚えがある (对本事)有信心;自己觉得有两下子.





443.【む】 『矛盾(むじゅん・ぼうじゅん)』
『矛盾』
ある人の言動や文脈などの前後が食い違っていて揃わないこと。辻褄(つじつま)が合わないこと。
類:●自家撞着●辻褄が合わない

444.【む】 『娘(むすめ)一人に婿(むこ)八人』
『娘一人に婿八人』「=三人・十人」
一人の娘に対して婿になりたいと願う者が多くいること。また、転じて、一つの物事に対して、希望者が非常にたくさんいること。
類:●引く手数多(あまた)●引っ張り凧

445.【む】 『胸(むね)に一物(いちもつ)』
『胸に一物』
心の中に蟠(わだかま)りがあること。口にこそ出さないが、企(たくら)みや、密かに期するところがあること。
わだかまる  [わだかまる] 卷,蟠,有隔阂,萦怀

446.【む】 『無理(むり)が通れば道理(どうり)が引っ込む』
『無理が通れば道理が引っ込む』[=そこ退け]
道理に反することが世の中に罷(まか)り通るようなことになれば、道理に適(かな)ったことが行われなくなってしまうということ。

447.【め】 『目(め)から鼻(はな)へ抜(ぬ)ける』
『目から鼻へ抜ける』[=に抜ける]
1.目と鼻は最も近いところにあることから、目から鼻へ抜けるように早いという意味で、利口で物事を理解するのが素早いこと。判断が素早いこと。
2.抜け目がなく、やる事が敏捷(びんしょう)であること。
お利口さんだから泣くんじゃない 宝宝乖乖,不要哭.

448.【め】 『目屎(めくそ)鼻屎(はなくそ)を笑(わら)う』
『目屎鼻屎を笑う』[=目糞鼻糞~]
目屎が鼻屎を汚いと嘲笑(あざわら)うという意味で、自分の欠点に気付かないで、または自分の欠点を棚に上げて、他人の欠点を嘲笑うこと。
類:●目脂が鼻垢を笑う●猿の尻笑い●蝙蝠が燕を笑う●樽抜き渋柿を笑う●鍋が釜を黒いという●五十歩百歩●The pot calls the kettle black.(鍋はやかんを黒いと笑う)

449.【め】 『盲(めくら)蛇(へび)に怖(お)じず』
『盲蛇に怖じず』
物の恐ろしさを知らない者は、向こう見ずなことをするということの喩え。
類:●盲蛇物に怖じず●めくら蛇●非学者論に負けず●Fools rush in where angels fear to tread.(愚か者は天使が恐れて踏まないところにどしどし踏み込む)アレクサンダー・ポープ<「英⇔日」対照・名言ことわざ辞典>
反:●君子危うきに近寄らず●The wise man never courts danger.(賢者は決して危険を求めない)
向こう見ず  [むこうみず] 不顾前后,莽撞,鲁莽,冒失

450.【め】 『目(め)には目、歯(は)には歯』
『目には目、歯には歯』
自分が受けた害に対して、同様な方法で仕返しをすること。 
類:●タリオの制裁(同害復讐法)

451.【め】 『目(め)の上(うえ)の瘤(こぶ)』
『目の上の瘤』[=たん瘤]
自分よりも力が上で、何かと目障(めざわ)りで、邪魔になる者。また、単に、邪魔者。
類:●鼻の先の疣々(いぼいぼ)

452.【め】 『目(め)は口(くち)ほどに物(もの)を言う』
『目は口ほどに物を言う』[=目も~]
情が篭もった目付きは、口で話すのと同じ程度に気持ちを相手に伝える。目付きは、口で話すのと同じくらいの力を持つものである。
籠る  [komoru] [こもる] 〔人が〕闭门不出


453.【も】 『孟母(もうぼ)三遷(さんせん)の教え』
『孟母三遷の教え』
孟子の母は、子供の教育に適した環境を選んで居所を三度引っ越したという故事。

454.【も】 『餅(もち)は餅屋(もちや)』
『餅は餅屋』
餅は餅屋の搗(つ)いたものが一番美味いという意味で、その道のことは、やはり専門の者に任せるのが良策であるということ。
類:●餅屋は餅屋●蛇(じゃ)の道は蛇(へび)●馬は馬方●芸は道によって賢し
良策  [りょうさく] 良策,妙计


455.【も】 『沐猴(もっこう)にして冠(かん・かんむり)す』
『沐猴にして冠す』
猿に冠を被せるという意味で、外見は立派でも内実がそれに伴っていない人物のこと。小人物が相応(ふさわ)しくない立場に在ること。
被せる  [かぶせる] 盖上,蒙上,包上,浇
内実  [ないじつ] 内情,内幕,其实,说实在的

456.【も】 『本木(もとき)に勝(まさ)る末木(うらき)なし』
『本木に勝る末木なし』
1.幾度取り替えてみても、やはり最初に関係のあったものが最も優れている。
2.多く男女関係に付いて言い、前夫・先妻や最初に情交した相手などが、良かったというときに使う。
幾度  [いくたび] 好几次,好多次,多少次,几次
先妻  [せんさい] 前妻
前夫  [ぜんぷ] 前夫
情交  [じょうこう]交情,友谊 

457.元の鞘に納まる
458.元の木阿弥

459.【も】 『桃栗(ももくり)三年柿(かき)八年』
『桃栗三年柿八年』
桃と栗は芽生えてから三年、柿は八年で実を結ぶということ。
1.何事も、成就(じょうじゅ)するまでに相応の年月が掛かること。
 類:●大器晩成●首振り三年ころ八年●ぽつぽつ三年波八年●櫓三年に棹八年
2.じっと待っていれば、やがて良い思いができることの喩え。
 類:●待てば甘露の日和あり
年月 [としつき] 年和月,岁月,光阴

460.【や】 『焼(や)け石(いし)に水(みず)』
『焼け石に水』
熱く焼けた石に少しばかりの水を掛けても一向に冷めないように、援助(えんじょ)や努力の力が僅(わず)かで、効果が上がらないことの喩え。
 例:「そんな端金(はしたがね)では焼け石に水だ」
 類:●杯水車薪●二階から目薬

461.【や】 『焼け野の雉子(きぎす)夜の鶴(つる)』
『焼け野の雉子夜の鶴』
親が子を思う情がとても深いことの喩え。雉は巣を営んでいる野を焼かれると、我が身を忘れて子を救おうと巣に戻り、巣篭もる鶴は霜が降りる寒い夜、自分の翼で子を覆うというところから。
類:●焼野の雉

462.【や】 『安物(やすもの)買いの銭(ぜに)失い』
『安物買いの銭失い』
安物は品質が悪く長持ちがしないので、買い直さなくてはならず、却(かえ)って高いものに付く。
類:●安き物は銭失い●安物の銭失い●Buy cheap and waste your money.●Cheap bargains are dear.(安い買い物は高く付く)
安物  [やすもの] 贱物,便宜货

463.【や】 『柳(やなぎ)に雪折(ゆきお)れなし』
『柳に雪折れなし』[=柳の枝に~]
柳の枝はよく撓(しな)うので雪が積もっても折れることがない。柔軟なものは弱々しく見えるが、却(かえ)って堅強なものより良く苦難に耐えるということの喩え。
類:●歯亡びて舌存す●高木(こうぼく)風に折らる●Oaks may fall when reeds stand the storm.(嵐で樫の木は倒れるかも知れぬが、葦は耐える)
撓う  [しなう] 弯曲,柔韧

464.【や】 『柳(やなぎ)の下にいつも泥鰌(どじょう)はおらぬ』
『柳の下にいるも泥鰌はおらぬ』
柳の木の下で一度泥鰌を捕らえたことがあったとしても、いつもそこに泥鰌がいるとは限らない。一度まぐれ当たりの幸運を得たからといって、再度同じ方法で幸運が得られると思うのは間違いである。偶然の幸運は何度もあるものではないということの喩え。
類:●二匹目の泥鰌

465.【や】 『藪(やぶ)から棒(ぼう)』
『藪から棒』
「藪から棒を突き出す」の略。物事の仕方が出し抜けなことの喩え。唐突である様子。前触れや前置きがないこと。
類:●窓から槍●青天の霹靂●寝耳に水
出し抜け  [だしぬけ] 突然,冷不防,出其不意

466.【や】 『藪(やぶ)を突突いて蛇(へび)を出(だ・いだ)す』
『藪を突突いて蛇を出す』[=叩いて~]
不必要な事をしたために、危険な目に遭ったり、災いを受けたりすることの喩え。
類:●毛を吹いて疵を求む●草を打って蛇を驚かす●薮蛇(やぶへび)

467.【や】 『病(やまい)膏肓(こうこう)に入(い)る』
『病膏肓に入る』
「膏」は胸の下の方、「肓」は胸部と腹部との間の薄い膜。ともに治療し難いところとされる。 ★誤って「病膏盲(こうもう)に入る」とも<大辞林(三省堂)>
1.不治の病気に罹(かか)る。また、病気が重くなって治る見込みがなくなる。
2.ある物事に極端に熱中して、抜け出せなくなる。

468.【や】 『病(やまい)は気から』
『病は気から』[=気より]
病気は、気の持ち方一つで、重くもなるし軽くもなるということ。
病は気から 病打心上起; 病情好坏在于情绪.

469.【や】 『山(やま)高きが故(ゆえ)に尊(とうと)からず』
『山高きが故に尊[=貴]からず』
どんなに見掛けが良くても、内容が伴わなければ立派なものではない。外観よりも実質が大切であることの喩え。また、見掛けだけで判断してはならないという戒(いまし)め。
出典:「実語教」 「山高故不貴、以有樹為貴」

470.【ゆ】 『闇夜(やみよ)の鉄砲(てっぽう)』
『闇夜の鉄砲』[=闇夜に~・闇に~]
目標が定まっていないこと。また、やっても効果がないこと、意味がないことの喩え。
類:●闇に礫(つぶて)●闇夜の礫

471.【ゆ】 『雪(ゆき)と墨(すみ)』
『雪と墨』
二つの物が正反対であることの喩え。また、二つの物事の相違が甚(はなは)だしいことの喩え。
類:●烏と鷺●月と鼈(すっぽん)●提灯に釣鐘

472.【ゆ】 『雪(ゆき)に白鷺(しらさぎ)』
『雪に白鷺』
雪も白鷺も白色であるところから、見分け難いこと、また、目立たないことの喩え。
類:●闇に烏(からす)●暗がりから牛を引き出す●雪の鷺

473.【ゆ】 『油断大敵(ゆだんたいてき)』
『油断大敵』
油断は失敗の原因であるから、何よりも恐ろしい敵であるということ。

474.【よ】 『欲(よく)に目が眩(くら)む』
『欲に目が眩む』[=眩(く)る]
欲望のために、正常の判断力を失なって判断を誤まる。
くらます  [kuramasu] [くらます] (2)〔ごまかす〕蒙蔽 欺瞒 隐瞒 人の目をくらます 瞒人眼目;偷偷地…….

475.【よ】 『弱(よわ)り目に祟(たた)り目』
『弱り目に祟り目』
困った時に重ねて不運に遭うこと。不運の上に不運が重なること。
類:●泣き面に蜂●傷口に塩を塗る●痛い上の針●踏んだり蹴ったり●One misfortune rides upon another's back.(災難は続くもの)<「英⇔日」対照・名言ことわざ辞典>●When it rains, it pours.(降れば土砂降り)
祸不单行

476.【ら】 『楽(らく)は苦の種(たね)、苦は楽の種』
『楽は苦の種、苦は楽の種』
苦は楽を、楽は苦をそれぞれそのうちに含み持っているということ。楽をすると後で苦を味わわなくてはならず、苦を忍べば後で楽ができる。今の苦労は、将来の楽に繋(つな)がるのだから耐え忍ばなければいけない。
類:●苦楽相伴なう

477.洛陽の紙価を高む

478.【り】 『律義者(りちぎもの)の子沢山(こだくさん)』
『律義者の子沢山』
律義者は遊蕩(ゆうとう)に耽(ふけ)らず、夫婦仲も良いので、自(おの)ずから子供が多く生まれる。
律義  [りちぎ] 忠实,诚实,正直,规规矩矩

479.【り】 『梁上(りょうじょう)の君子(くんし)』
『梁上の君子』
1.家の梁の上に潜(ひそ)む者。盗賊。盗人(ぬすっと)。
2.転じて、鼠(ねずみ)。
類:●梁上公

480.【り】 『両手(りょうて)に花(はな)』
『両手に花』
二つの良品を同時に手に入れること。また、一人の男が左右に美人を侍(はべ)らせることの喩え。
侍る  [はべる] 侍,侍候,陪,陪侍
両手に花 一人占有两个美好的东西;左拥右抱zuǒ yōng yòu bào『成』;双喜临门『成』.

481.【り】 『遼東(りょうとう)の豕(いのこ)』
『遼東の豕』
見聞が狭いため、ごく当たり前のことを、特異なことと思い込んで得意になること。
類:●夜郎自大(やろうじだい)●井の中の蛙

482.【り】 『良薬(りょうやく)は口に苦(にが)し』
『良薬は口に苦し』
1.良い薬は苦くて飲み難(にく)いが、病気のためには優れた効き目がある。
2.忠言や諫言は聞くのが辛いが、自分のためになることの喩え。
類:●忠言は耳に逆らう●Bitters do good to the stomach.(苦味は胃に薬)

483.【る】 『類(るい)は友(とも)を呼(よ)ぶ』
『類は友を呼ぶ』
似たような傾向を持つ者は、自然に寄り集まるものである。また、気が合うものは自(おの)ずから集まるものである。
類:●類を引きて友を呼ぶ●牛は牛づれ馬は馬づれ●類は類を呼び友は友を呼ぶ●類は友を以って集まる●同類相求む●同性相親しむ●同気相求める

484.壟断

485.【ろ】 『隴(ろう)を得て蜀(しょく)を望(のぞ)む』
『隴を得て蜀を望む』
一つの望みを遂げて、更にその上を望むことの喩え。欲望には限りがないことの喩え。
類:●望蜀●千石取れば万石羨む●思う事一つ叶えばまた一つ

487.【わ】 『渡(わた)りに船(ふね)』
『渡りに船』[=船を得る]
必要なものや望ましい状態が、丁度都合良く得られる。 
出典:「法華経-薬王品」 「如子得母渡得船」
渡りに舟 急奔渡口 恰有停舟;见台价就下; 困难时遇救星

488.【わ】 『渡(わた)る世間(せけん)に鬼(おに)はない』
『渡る世間に鬼はない』[=世界に~]
この世の中には、無慈悲な者ばかりではなく、人情に厚い人がどこにも必ずいるということ。
反:●人を見たら泥棒と思え

489笑う門には福来たる

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