《挪威的森林》(13)

僕の部屋にはピンナップさえ貼られてはいなかった。そのかわりアムステルダムの運河の写真が貼ってあった。僕がヌード写真を貼ると「ねえ、ワタナベ君さ、ぼ、ぼくはこういうのあまり好きじゃないんだよ」と言ってそれをはがし、かわりに運河の写真を貼ったのだ。僕もとくにヌード写真を貼りたかったわけでもなかったのでべつに文句は言わなかった。

我们的房间不贴暴露的照片,贴的是阿姆斯特丹运河的照片。我本来贴了张裸女,但他却说:“喂!渡边,我……我可不喜欢这玩意儿……”,然后就将它撕下,换上运河的照片。我倒也并不是非贴裸照不可。所以也就没说话了。

僕の部屋に遊びに来た人間はみんなその運河の写真を見て「なんだ、これ?」と言った。「突撃隊はこれ見ながらマスターベーションするんだよ」と僕は言った。冗談のつもりで言ったのだが、みんなあっさりとそれを信じてしまった。あまりにもあっさりとみんなが信じるのでそのうちに僕も本当にそうなのかもしれないと思うようになった。

不过,到我房间来玩的人看了那张运河照片,都说:“这是什么东西啊?”我答道:“『突击队』可是一边盯着,一边手淫哟!”我只是开玩笑地随便说说而已,没想到大伙儿全爽快地相信了。因为大伙儿实在太爽快了,连我自己都忍不住要相信这是真的了呢!

みんなは突撃隊と同室になっていることで僕に同情してくれたが、僕自身はそれほど嫌な思いをしたわけではなかった。こちらが身のまわりを清潔にしている限り、彼は僕に一切干渉しなかったから、僕としてはかえって楽なくらいだった。掃除は全部彼がやってくれたし、布団も彼が干してくれたし、ゴミも彼がかたづけてくれた。

而且,大伙儿对我和“突击队”住在一块儿的事,都抱着同情的态度,但我倒不怎么厌恶他。只要我把自己弄得干干净净的,他倒是不怎么干涉我,我反而乐得清闲。扫地是他,晒棉被是他,倒垃圾还是他。

僕が忙しくて三日風呂に入らないとくんくん匂いをかいでから入った方がいいと忠告してくれたし、そろそろ床屋に行けばとか鼻毛切った方がいいねとかも言ってくれた。困るのは虫が一匹でもいると部屋の中に殺虫スプレーをまきちらすことで、そういうとき僕は隣室のカオスの中に退避せざるを得なかった。

我要是一忙起来就三天不洗澡的,等到发出臭味,他使会忠告我该洗澡了;或是忠告我该去理发、剃鼻毛了。比较伤脑筋的是,只要有一只虫出现,他就拿着杀虫剂绕着房里四处喷。这时,我便只好躲到隔壁房间的那一片混沌之中了。

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