【日语共读】《心》夏目漱石(14)


       《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。




   しかし我々は真面目(まじめ)でした。我々は実際偉くなるつもりでいたのです。ことにKは強かったのです。寺に生れた彼は、常に精進(しょうじん)という言葉を使いました。そうして彼の行為動作は悉(ことごと)くこの精進の一語で形容されるように、私には見えたのです。私は心のうちで常にKを畏敬(いけい)していました。

   然而,我们是严肃的。我们实际上想成为一个伟人,特别是K更要强。他出生寺院,常把‘精进’一词挂在嘴边。在我看来,他的一举一动似乎都可以用‘精进’这个词来形容。我常常从心底里敬畏他。

     

      Kは中学にいた頃から、宗教とか哲学とかいうむずかしい問題で、私を困らせました。これは彼の父の感化なのか、または自分の生れた家、すなわち寺という一種特別な建物に属する空気の影響なのか、解(わか)りません。ともかくも彼は普通の坊さんよりは遥(はる)かに坊さんらしい性格をもっていたように見受けられます。元来Kの養家(ようか)では彼を医者にするつもりで東京へ出したのです。しかるに頑固な彼は医者にはならない決心をもって、東京へ出て来たのです。私は彼に向って、それでは養父母を欺(あざむ)くと同じ事ではないかと詰(なじ)りました。大胆な彼はそうだと答えるのです。道のためなら、そのくらいの事をしても構わないというのです。その時彼の用いた道という言葉は、おそらく彼にもよく解っていなかったでしょう。私は無論解ったとはいえません。しかし年の若い私たちには、この漠然(ばくぜん)とした言葉が尊(たっ)とく響いたのです。よし解らないにしても気高(けだか)い心持に支配されて、そちらの方へ動いて行こうとする意気組(いきぐみ)に卑(いや)しいところの見えるはずはありません。私はKの説に賛成しました。私の同意がKにとってどのくらい有力であったか、それは私も知りません。一図(いちず)な彼は、たとい私がいくら反対しようとも、やはり自分の思い通りを貫いたに違いなかろうとは察せられます。しかし万一の場合、賛成の声援を与えた私に、多少の責任ができてくるぐらいの事は、子供ながら私はよく承知していたつもりです。よしその時にそれだけの覚悟がないにしても、成人した眼で、過去を振り返る必要が起った場合には、私に割り当てられただけの責任は、私の方で帯びるのが至当(しとう)になるくらいな語気で私は賛成したのです。

 

 

    从中学的时候起,我就被他那玄妙的宗教啦哲学啦弄得糊里糊涂。我不知道这是他父亲的感化,还是受了他出生的家庭,即寺院这种特殊建筑气氛的影响,总之,他仿佛比一般和尚更具有和尚的性格。本来K的养父家是打算让他到东京学医的,他却固执得很,到东京来根本不是为了当个医生。我责问他,‘这不等于欺骗养父养母么?’他大胆地回答道:‘是的。只要为了道义,这是无所谓的。’那时他所说的道义,恐怕他也未必能理解。当然更不用说我了。但是,这个模糊的词汇,却对年轻的我们发着神圣的音响。虽然我们并不理解它的内容,可是内心却被一种崇高的情操所支配,在向往这个道义的热情中没有丝毫龌龊之处。我赞同K的学说。我也不知道我的赞同对于K有什么影响,只觉得他专心致志,即使我全力反对,他也会毫不动摇地走下去的。我虽然是个孩子,却很知道,由于我赞同他,所以一旦出事,我多少是要承担责任的。纵令那时没有这样的决心,在应该用成人的眼光回顾过去的时候,用最恰当的话来说,由我承担那部分责任,就是我的赞同所造成的后果吧。

 

 

 


主播介绍

本期主播:酥饼

本期编辑:LMN

责任编辑:日语之声

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