【天声人语】聖火に沸く

聖火に沸く

为圣火沸腾


おととい完かん結けつしたNHK大河ドラマ「いだてん」では、最終盤に前回東京五輪の聖火リレーが登場した。主婦が居い間までやおら立ち上がり、キュウリを手に走者のまねをする。当時の人々の高こう揚ようをありありと思い起こさせた

前天NHK大河剧《韦驮天》迎来大结局,其中一幕就是主妇们在卧室从容不迫地站起,拿着黄瓜模仿传递圣火的火炬手。让人不禁回忆起当时席卷全国的奥运热潮。

▼開幕前の本紙を開くと、「最終走者内定」の報ほうは、ベトナム戦争の混こん迷めいを伝える記事よりも大きい。走者に選ばれた男性がけんかをして逮捕されれば全国版の記事になった

1964年东京奥运会开幕前,翻开报纸,“火炬手内定”的报道铺天盖地,远远超过对越战混乱局势的报道。在面向全国发行的报纸上还刊登了火炬手打架斗殴被警察逮捕的报道。

▼岐阜県内を走った男性に取材した同僚によると、内定後に「200万円払うから代わりに走らせて」と頼まれたそうだ。事前の講習会では「聖火トーチと似た重さ」と説明された空からの一いっ升しょう瓶びんを逆さに持ち、走法の指導を受けた。熱の入れようがよくわかる

我的同事采访完负责在岐阜县传递圣火的火炬手后表示,这名火炬手内定后似乎被有些人拜托:“愿意出200万日元替他上场。”在事前的讲习会中,他手拿着和圣火火炬差不多重、倒置的空清酒瓶接受专业的跑步练习。让人清楚感受到了奥运热情。

▼本紙東京版に以前掲載された企画「10人の聖火ランナー」を読むと、最年少の女性走者は少女雑誌に紹介され、手紙が何百通も寄せられた。一方で「国威発はつ揚ように利用されている」と感じた走者もいる

本报东京版过去刊登了“10名火炬手”,其中最年轻的女性火炬手被介绍给少女杂志,收到了上百封书信。部分火炬手还感觉奥运会提供了弘扬日本国威的平台。

▼聖火が列島を走り出したのは占せん領りょう下の沖縄から。地獄の地上戦からまだ19年、沿えん道どうで遺い影えいを掲かかげる人がいた。広島の原爆ドーム前は市民であふれた。「平和国家に生まれ変わった日本を世界に見てほしい」。もくもくと機関車のような煙を吐くトーチは、そんな時代の熱気を体現していた

圣火从美军占领下的冲绳离开列岛。自那炼狱般的战争结束仅过了19年,沿路还有人举着遇难者的遗像,在原爆圆顶馆聚集了许多市民。“想向世界展现作为和平国家重生的日本。”火炬升起的滚滚浓烟好似火车头排出的烟雾,体现了属于那个时代的热度。

▼来年の五輪に向け、東北からは津波の被災遺族が走者に選ばれた。九州では「くまモン」落選が報じられる。どんな人々が津つ々つ浦うら々うらに炎ほのおをつなぎ、世界にどんなメッセージを届けてくれるのだろう。

2020年奥运会东北海啸的遇难者家属被选为火炬手。九州的熊本熊落选了。谁将用圣火联动全国,日本将通过圣火向世界传达怎样的声音呢?

【天声单词】

▲やおら:人や動物がゆっくりと動作を始めるさま。おもむろに。

▲津々浦々:いたるところの津や浦。全国いたるところ。

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