【日语共读】《心》夏目漱石(143)


       《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。

   「私は宅(うち)へ帰って奥さんとお嬢さんにその話をしました。奥さんは笑いました。しかし定めて迷惑だろうといって私の顔を見ました。私はその時腹のなかで、男はこんな風(ふう)にして、女から気を引いて見られるのかと思いました。奥さんの眼は充分私にそう思わせるだけの意味をもっていたのです。私はその時自分の考えている通りを直截(ちょくせつ)に打ち明けてしまえば好かったかも知れません。しかし私にはもう狐疑(こぎ)という薩張(さっぱ)りしない塊(かたま)りがこびり付いていました。私は打ち明けようとして、ひょいと留(と)まりました。そうして話の角度を故意に少し外(そ)らしました。


      “回家后,我把这件事跟夫人和小姐说了。夫人笑了。她看着我的脸,说道:‘一定让你为难了吧。’那时我心想,男人到了这地步,就是受了女人的诱惑么?夫人的眼色使我只能这样想。此时如果按照自己的想法,直接了当地说出来也许就好了。但是,我心里粘了一团优柔寡断的疑虑,刚要张嘴又突然停住,而且故意把话题岔开了。


 私は肝心(かんじん)の自分というものを問題の中から引き抜いてしまいました。そうしてお嬢さんの結婚について、奥さんの意中を探ったのです。奥さんは二、三そういう話のないでもないような事を、明らかに私に告げました。しかしまだ学校へ出ているくらいで年が若いから、こちらではさほど急がないのだと説明しました。奥さんは口へは出さないけれども、お嬢さんの容色に大分(だいぶ)重きを置いているらしく見えました。極(き)めようと思えばいつでも極められるんだからというような事さえ口外しました。それからお嬢さんより外(ほか)に子供がないのも、容易に手離したがらない源因(げんいん)になっていました。嫁にやるか、聟(むこ)を取るか、それにさえ迷っているのではなかろうかと思われるところもありました。


     我把自己从当事人的位置上拉开,试探夫人对小姐的婚姻问题持什么态度。夫人明确地告诉我,这是两三句话就能决定的。然而她又解释道:小姐年纪还小,正在上学,所以她也不那么着急。虽然夫人嘴里没说,我却看出她似乎非常器重小姐的容貌。甚至她还露出这样的口风,如果想要决定,随时都可以定下来的。另外还有个原因,她只有小姐一个孩子,也不会轻易撒手的。话中的含意,也有是出嫁,还是招婿,尚在犹豫的意思。


     話しているうちに、私は色々の知識を奥さんから得たような気がしました。しかしそれがために、私は機会を逸(いっ)したと同様の結果に陥(おちい)ってしまいました。私は自分について、ついに一言(いちごん)も口を開く事ができませんでした。私は好(い)い加減なところで話を切り上げて、自分の室(へや)へ帰ろうとしました。

    在同夫人的谈话中,我似乎觉得长了许多知识,然而,我却为此陷进了坐失良机一般的窘境。关于自己,我始终没有吐出一句话。我找了个适当的时机,打住话头,便准备回自己的房间。

  

 

主播介绍

本期主播:潇匠

本期编辑:LMN

责任编辑:日语之声

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