【日语共读】《鼻子》(连载1)

皆さん、こんばんは、ヒマワリです。

听众朋友们大家晚上好,我是今天共读栏目的主播ヒマワリ。今天我们要读的是日本作家芥川龙之介先生的另一篇小说《鼻子》。

《鼻子》是芥川龙之介于1916年发表的短篇小说。描写主人公禅智内供因有一个长鼻子而苦恼不已,他千方百计把鼻子弄短,可是却遭到了众人更为猛烈的耻笑。于是又心生悔意,最终鼻子终于又恢复原样的故事。

作者将小说中旁观者从最初的些许同情,到内供鼻子变短之后的放肆嘲笑的态度转变,用理智的话语归纳为“旁观者的利己主义”。

今天就让我们走进这个引人深思的故事,では、一緒に聞きましょう。

芥川龍之介

禅智内供ぜんちないぐの鼻と云えば、池いけの尾おで知らない者はない。長ながさは五六寸すんあって上唇うわくちびるの上から顋あごの下まで下っている。形は元も先も同じように太い。云わば細長ほそながい腸詰ちょうづめのような物が、ぶらりと顔のまん中なかからぶら下っているのである。

一说起禅智内供的鼻子,池尾地方是没一个不知道的。长有五六寸,从上唇的上面直拖到下颏的下面去。形状是从顶到底,一样的粗细。简捷说,便是一条细长的香肠似的东西,在脸中央拖着罢了。

五十歳を越えた内供ないぐは、沙弥しゃみの昔から、内道場供奉ないどうじょうぐぶの職しょくに陞のぼった今日こんにちまで、内心ないしんでは始終この鼻を苦に病んで来た。勿論もちろん表面では、今でもさほど気にならないような顔をしてすましている。これは専念に当来とうらいの浄土じょうどを渇仰かつぎょうすべき僧侶の身で、鼻の心配をするのが悪いと思ったからではない。それよりむしろ、自分で鼻を気にしていると云う事を、人に知られるのが嫌だったからである。内供は日常の談話の中に、鼻と云う語が出て来るのを何よりも惧おそれていた。

内供已年过半百,打原先当沙弥子的时候起,直到升作内道场供奉的现在为止,他心坎上始终为这鼻子的事苦恼着。当然,表面上他也装出一副毫不介意的样子。不仅是因为他觉得作为一个应该专心往生净土的和尚,不宜惦念鼻子,更重要的还是他不愿意让人家知道他把鼻子的事放在心上。平素言谈之中,他最怕提“鼻子”这个词儿。


内供が鼻を持てあました理由は二つある。――一つは実際的に、鼻の長いのが不便だったからである。第一飯を食う時にも独りでは食えない。独りで食えば、鼻の先が鋺かなまりの中の飯へとどいてしまう。そこで内供は弟子の一人を膳の向うへ坐らせて、飯を食う間中あいだじゅ、広さ一寸いっすん長さ二尺にしゃくばかりの板で、鼻を持上げていて貰むらう事にした。しかしこうして飯を食うと云う事は、持上げている弟子にとっても、持上げられている内供にとっても、決して容易な事ではない。一度この弟子の代りをした中童子ちゅうどうじが、嚏くさめをした拍子に手がふるえて、鼻を粥かゆの中へ落した話は、当時京都まで喧伝けんでんされた。けれどもこれは内供にとって、決して鼻を苦に病んだ重おもな理由ではない。内供は実にこの鼻によって傷つけられる自尊心のために苦しんだのである。

内供腻烦鼻子的原因有二:一个是因为鼻子长确实不便当。首先,连饭都不能自己吃。不然,鼻尖就杵到碗里的饭上去了。内供就吩咐一个徒弟坐在对面,吃饭的时候,让他用一寸宽两尺长的木条替自己掀着鼻子。可是像这么吃法,不论是掀鼻子的徒弟,还是被掀的内供,都颇不容易。一回,有个中童子来替换这位徒弟,中童子打了个喷嚏,手一颤,那鼻子就扎到粥里去了。这件事当时连京都都传遍了。然而这决不是内供为鼻子而苦闷的主要原因。说实在的,内供是由于鼻子使他伤害了自尊心才苦恼的。


池の尾の町の者は、こう云う鼻をしている禅智内供のために、内供の俗でない事を仕合せだと云った。あの鼻では誰も妻になる女があるまいと思ったからである。中にはまた、あの鼻だから出家しゅっけしたのだろうと批評する者さえあった。しかし内供は、自分が僧であるために、幾分いくぶんでもこの鼻に煩わずらわされる事が少くなったと思っていない。内供の自尊心じそんしんは、妻帯と云うような結果的けっかてきな事実に左右さゆうされるためには、余りにデリケイトに出来ていたのである。そこで内供は、積極的にも消極的にも、この自尊心の毀損きそんを恢復しようと試こころみた。

池尾的老百姓替禅智内供着想,说幸亏他没有留在尘世间,因为照他们看来凭他那个鼻子,没有一个女人肯嫁给他。有人甚至议论道,他正是由于有那么个鼻子才出家的。内供却并不认为自己当了和尚鼻子所带来的烦恼就减少了几分。内供的自尊心是那么容易受到伤害,他是不会为娶得上娶不上妻子这样一个具体事实所左右的。于是,内供试图从积极的和消极的两方面来恢复自尊心。

今天的共读到此结束,感谢大家的收听。

では、おやすみなさい。

本期监制: 日语之声

本期小编: 沫    言

本期主播: ヒマワリ


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