【日语共读】《心》夏目漱石(105)



       《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。

  その日は病人の出来がことに悪いように見えた。私(わたくし)が厠(かわや)へ行こうとして席を立った時、廊下で行き合った兄は「どこへ行く」と番兵のような口調で誰何(すいか)した。

「どうも様子が少し変だからなるべく傍(そば)にいるようにしなくっちゃいけないよ」と注意した。

 私もそう思っていた。懐中(かいちゅう)した手紙はそのままにしてまた病室へ帰った。父は眼を開けて、そこに並んでいる人の名前を母に尋ねた。母があれは誰、これは誰と一々説明してやると、父はそのたびに首肯(うなず)いた。首肯かない時は、母が声を張りあげて、何々さんです、分りましたかと念を押した。



   那天,病人的面容似乎格外不好。我离开这里正要上厕所时,在走廊上迎面碰见了哥哥。“上哪儿去?”他用哨兵似的口吻叫住了我。

   “病情有些变化,应该尽量守在爹身旁才是。”他叮嘱我。

   我也是这样想的。信依然揣在怀里,我又回到病室。父亲睁开眼睛问母亲,这里都有谁。母亲就这个是谁,那个是谁,一一告诉给他,每告诉一个父亲就点点头。不点头时,母亲就高声重复一遍这是某某,又叮问道,“知道了吗?”


 「どうも色々お世話になります」

 父はこういった。そうしてまた昏睡状態に陥った。枕辺(まくらべ)を取り巻いている人は無言のまましばらく病人の様子を見詰めていた。やがてその中(うち)の一人が立って次の間(ま)へ出た。するとまた一人立った。私も三人目にとうとう席を外(はず)して、自分の室(へや)へ来た。私には先刻(さっき)懐(ふところ)へ入れた郵便物の中を開けて見ようという目的があった。それは病人の枕元でも容易にできる所作(しょさ)には違いなかった。しかし書かれたものの分量があまりに多過ぎるので、一息(ひといき)にそこで読み通す訳には行かなかった。私は特別の時間を偸(ぬす)んでそれに充(あ)てた。


   “实在给你们添了不少麻烦。”

   父亲这样说罢,一会儿又陷入昏睡状态。围在枕边的人,一时都默默无言地注视着他的病情。不大工夫,有个人起身到隔壁去了。接着又一个人走了。终于我第三个也离开这里,回到自己房间。我走的目的,是想打开看看刚才揣在怀里的邮件。本来在病人枕旁看看也无妨,可是邮件的分量太重,不能在那里一口气读完,我就抓了这个特殊时间,做这件事。


  私は繊維の強い包み紙を引き掻くように裂(さ)き破った。中から出たものは、縦横(たてよこ)に引いた罫(けい)の中へ行儀よく書いた原稿様(よう)のものであった。そうして封じる便宜のために、四(よ)つ折(おり)に畳(たた)まれてあった。私は癖のついた西洋紙を、逆に折り返して読みやすいように平たくした。


   我赶忙撕开结实的包装纸。里面露出的好象是一部原稿。规规矩矩的字迹,写在纵横的格线里。为了便于封口,被叠成四折。我为了看着方便,把折过的洋纸反折过来,把它展平。


主播介绍


本期主播:开心花甲粉

本期编辑:LMN

责任编辑:日语之声

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