【日语共读】《心》夏目漱石(153)


       《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。



 「私の座敷には控えの間(ま)というような四畳が付属していました。玄関を上がって私のいる所へ通ろうとするには、ぜひこの四畳を横切らなければならないのだから、実用の点から見ると、至極(しごく)不便な室(へや)でした。私はここへKを入れたのです。もっとも最初は同じ八畳に二つ机を並べて、次の間を共有にして置く考えだったのですが、Kは狭苦しくっても一人でいる方が好(い)いといって、自分でそっちのほうを択(えら)んだのです。


   我的卧室附带一间会客室般的四张席大的小房。进门后要到我的房间来,必须经过那里,所以从实用观点来看,那间小房极不方便。我就把K安置在那里了。起初,我本想在八张席的房间里放上两张桌子,把隔壁作为共有。但是K说再狭窄也是一个人住方便,他自己选择了那间小房。


 前にも話した通り、奥さんは私のこの所置に対して始めは不賛成だったのです。下宿屋ならば、一人より二人が便利だし、二人より三人が得になるけれども、商売でないのだから、なるべくなら止(よ)した方が好(い)いというのです。私が決して世話の焼ける人でないから構うまいというと、世話は焼けないでも、気心の知れない人は厭(いや)だと答えるのです。それでは今厄介(やっかい)になっている私だって同じ事ではないかと詰(なじ)ると、私の気心は初めからよく分っていると弁解して已(や)まないのです。私は苦笑しました。すると奥さんはまた理屈の方向を更(か)えます。そんな人を連れて来るのは、私のために悪いから止(よ)せといい直します。なぜ私のために悪いかと聞くと、今度は向うで苦笑するのです。

 実をいうと私だって強(し)いてKといっしょにいる必要はなかったのです。けれども月々の費用を金の形で彼の前に並べて見せると、彼はきっとそれを受け取る時に躊躇(ちゅうちょ)するだろうと思ったのです。彼はそれほど独立心の強い男でした。だから私は彼を私の宅(うち)へ置いて、二人前(ふたりまえ)の食料を彼の知らない間(ま)にそっと奥さんの手に渡そうとしたのです。しかし私はKの経済問題について、一言(いちごん)も奥さんに打ち明ける気はありませんでした。

    上面已经说过,开始夫人是不赞成我这样做的。她说,要是开客店,两个房客当然要比一个房客有利,三个人要比两个人更有赚头。但这不是做买卖,还是尽量别带来的好。我告诉她,不要紧,这个人决不会给别人添麻烦的。夫人答道,就算是这样,不知他是什么脾气,我不愿意。但我诘问她,现在我还在添麻烦,不也是一样么?夫人只好争辩道一开始就很了解我的脾气。我苦笑了。于是夫人又换了理由,改口说不让带他来,是为了怕我不方便。当我问她为什么会对我不方便时,这次她又苦笑起来。

    说实在的,我真没有必要硬同K住在一起。但是我总以为,倘若把每月必需的钱摆在他面前,他接受时一定会为难。因为他的自立心是那样的顽强,我把他安置在我的住处,便可以背着他,悄悄地把两份饭费交给夫人。但是关于他的经济状况,我是绝不想告诉夫人的。

   


主播介绍

本期主播:清香

本期编辑:LMN

责任编辑:日语之声

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